【阪神新馬戦】クレアーレ英雄の道!池江泰郎オーナーと歩む

[ 2019年9月27日 05:30 ]

25日に3頭併せで追い切るクレアーレ(左)(撮影・平嶋 理子)
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 ディープインパクトはいなくなっても、その偉大な血は子や孫の代へとつながれている。現2歳世代の産駒は33頭がデビューして既に19頭が勝ち上がった。

 今週も楽しみなディープインパクト産駒がデビューする。阪神芝1800メートル新馬戦(土曜4R)のクレアーレ(牡=池江)はオーナーが元調教師の池江泰郎氏(本紙評論家)だ。現役時代の父を管理していたから育ての親と言える存在。トレーナー時代は常に勝利を求める立場だったから日々、厳しい視線で調教をチェックしていた。今は違う。クレアーレが追い切る日は栗東トレセンに足を運び、まだ幼い我が子を見守るように優しく動きを見つめる。「馬主としてディープインパクトの子で競馬ができるのは幸せ」としみじみ。勝負事だからレースが終われば白黒ハッキリするが、それよりも無事に――。これが親心。そう、結果はあとからついてくる。

 今週、25日水曜の最終追い切りは武豊がまたがって芝コースで3頭併せ。最後方から直線、内に入って6F80秒2~1F12秒3で間に入った新馬バーグアンノールに頭差先着、外マウントゴールド(6歳オープン)と同入でゴールへ。武豊は「軽い走りをするし、いかにもディープインパクト産駒。ディープインパクトが死んだ年に池江先生のディープインパクト産駒に乗せてもらえるのも何かの縁だし、力が入りますね」と意気込む。

 もちろん、調教に関しては長男・泰寿師に一任している。その上で泰郎氏も仕上がり具合は把握できていて「追い切り本数は十分。ゲート練習も念入りにやってきた。力を出せると思う」とジャッジ。トレーナー時代の表情をチラリとのぞかせた。かつて所有していたネージュドールは園田移籍後に3勝、リボンフラワーは3戦目で未勝利を勝ち上がったものの桜花賞トライアル・アネモネS5着後に脚部不安で引退を余儀なくされた。ひとつ勝つことの難しさは身に染みている。いつか大舞台へ。馬主としても、その夢を追いかけていく。

 ◆池江 泰郎(いけえ・やすお)1941年(昭16)3月1日生まれ、宮崎県都城市出身の78歳。騎手時代は「逃げの池江」の異名を取り、通算3275戦368勝。引退後は調教師になり79年に開業。通算6768戦845勝。ディープインパクト以外にもメジロデュレン、メジロマックイーンなどGI馬を多数出した。11年に調教師を引退。長男・泰寿氏(50)は現役調教師。

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2019年9月27日のニュース