【三国・ヤングダービー】宮之原 服部の道へ“輝き”増す21歳

[ 2019年9月18日 05:30 ]

健闘を誓う宮之原(左)と板橋(撮影・亀井 直樹)
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 プレミアムG1「第6回ヤングダービー」が18日、福井県坂井市のボートレース三国で開幕する。30歳未満(9月1日時点)の若手No・1決定戦に、宮之原輝紀(こうき、21=東京)が初出場を果たす。大会最年少ながら、すでに周年記念出場を果たした実績を持つ。訓練生時代には卒業記念競走で1号艇から大外を選択。大物エピソードには事欠かない。初日5Rに4号艇に登場。未来のボート界を担う大器から目が離せない。また、宮之原と同じ118期で卒業記念競走を制した板橋侑我(ゆうが、23=静岡)もエントリー。初G1に挑む。

 前途洋々な若武者がトップレーサーへの登竜門に挑む。16年5月、18歳でデビューした宮之原。昨年6月、キャリア2年1カ月で初優勝を達成し、今年1月にA1級に初昇格した。同月に行われた蒲郡周年でG1初出走。並み居る強豪を相手に予選突破を果たした。今期はA2に甘んじているが、将来性の高さは疑いようがない。そして今回、若手No・1の座を争うヤングダービーに初出場する。

 「小さい頃からレースを見てきた。今、トップにいる選手は若い頃からA1になったりSG、G1でも走っていた。自分もそういう選手像を意識していた」

 父・正宣さんが平和島の整備士だったこともあり、ボートレースは身近な存在だった。選手を志したのは小学2年生の時。初めて生で見たレースの迫力に魅了された。15年4月、やまと学校(現ボートレーサー養成所)へ入学。実戦形式で行うリーグ戦では、7戦6優出1V。勝率8・12という突出した成績を収めた。

 訓練の集大成として臨んだ卒業記念競走。優勝戦に1号艇で臨んだ宮之原は思い切った行動に出る。インの権利を自ら放棄し、大外・6コースを選択したのだ。結果はスタートで後手に回り、5着だった。「日頃から教官の方々に“デビューしたらしばらくは6コースだよ”と言われていた。ここでいいレースができたら、恩返しになるかなと思った」

 ボートレースでは、新人は6コースから行くのが暗黙のルール。近年の新人はデビュー1年程度で枠なり進入を解禁するが、かつてはこの修業期間が長かった。そのため、訓練生時代から外コース主体に鍛錬を積んだ。SG4Vの服部幸男や同3Vの田村隆信を代表例に、多くのレーサーが卒業レースで大外からチャンピオンを目指した。宮之原は偉大なSGレーサーたちと同じ伝説をなぞり、勝負の世界へ羽ばたいた。

 前期に陥った不調からも脱却し、近況はA1ペースの勝率を残している。「前期はモチベーションが上がらなかった。初めての経験だった。これでいいやと妥協していた。でも今は大丈夫。何もやらないで負けるより、一生懸命やって負けた方がいいと思えるようになった」。気力はみなぎっている。服部は21歳だった92年、ダービーを制しSG最年少優勝記録を打ち立てた。宮之原も同じ21歳。今大会を飛躍の礎にしてみせる。

 ◆宮之原 輝紀(みやのはら・こうき)1997年(平9)11月26日生まれ、東京都大田区出身の21歳。118期生として16年5月平和島でデビュー。7月戸田で初1着。17年11月平和島で初優出。18年6月江戸川で初優勝。19年1月蒲郡周年でG1初出場。通算2V。1メートル61、50キロ。血液型O。

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