【皐月賞】キングリー 父子無敗1冠へ極上切れ味魅せた

[ 2019年4月11日 05:30 ]

ポリトラックコースで追い切るダノンキングリー(撮影・郡司 修)
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 平成最後のクラシックタイトルをつかむのは平成の最強馬2世だ。「第79回皐月賞」(14日、中山)の追い切りでダノンキングリーがディープインパクト産駒にふさわしい極上の切れ味を披露した。平成に入って5頭目の無敗皐月賞馬誕生へ。自身の皐月賞連覇も懸かる主戦・戸崎圭太騎手(38)はサートゥルナーリアとの無敗馬対決に挑む。同レースの枠順は11日に確定、馬券は12日から一部のウインズなどで発売される。 皐月賞

 平成の最強馬ディープインパクト以来14年ぶりの無敗皐月賞制覇へ。快挙の予感を確信に変えたのは、最強馬から2つの伝家の宝刀を受け継いだ2世だった。極上の切れ味を生み出す後肢のバネと、名手も舌を巻く進化。「一戦ごとに何か必ず成長を感じさせてくれる馬」。ダノンキングリーをこう語ってきた主戦・戸崎は最終追い切りの感触を確かめると、満足そうに切りだした。

 「またがった瞬間、(体が)しっかりしてきて、幅が出たなと感じた。ディープインパクトに乗ったことはないが、ディープのバネも感じさせる」

 自らの手綱で14年有馬記念を制した平成の最強牝馬ジェンティルドンナ、中央移籍前の11年にJRA・G1タイトル(安田記念)を獲らせてくれたリアルインパクト。名手が口にしたのは一流産駒に共通する強じんなバネだ。

 漆黒の馬体がポリトラックの上で躍る。バネを仕込んだように激しく伸縮する後肢とそれを支える厚手の肩。450キロ前後の黒鹿毛を数字以上に大きく見せながら、ラスト1F11秒6の瞬発力を馬なりで繰り出した。「単走で伸び伸び走らせた。凄く落ち着いている一方で、レースに向けてスイッチが入ってきた」と戸崎は続ける。「兄たち(JBCスプリント優勝ダノンレジェンドなど)がダートの短距離で走っていたのでデビュー時は芝がどうかと思ったが、背中が良かった。2戦目は反応が全然違った。前走(共同通信杯)はスローペースでも我慢が利いて距離不安をくつがえす強い競馬。(他馬に)囲まれても、ひるまなかった」。過去10年で4頭の皐月賞馬を送り出したステップレースの勝ちっぷりに揺るぎない手応えをつかんだ。

 見届けた萩原師も同じ感触をつかんでいる。「期待通りの成長ぶり。体幹がしっかりしてきた。前走から距離延長も心配していない」。無敗皐月賞Vの手綱を託された戸崎は昨年もエポカドーロで優勝。史上5人目の皐月賞V2が懸かる。「もう1頭負けていない馬(サートゥルナーリア)がいるが、僕自身連覇を目指している。気持ち良く走らせ、はじけさせたい」。平成最後のクラシックに断を下すのは、平成の最強馬から継いだ伝家の宝刀だ。 

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2019年4月11日のニュース