【フィリーズレビュー】奇跡の1着同着!ノーワンとプールヴィルが桜花賞切符ゲット

[ 2019年3月10日 17:49 ]

<阪神11R・報知杯フィリーズレビュー>写真判定の末、同着でゴールするノーワン(左)とプールヴィル(右)(撮影・亀井 直樹)
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 1400メートルを走り切った2頭が同時にゴールに飛び込んだ。

 内ノーワン(牝3=笹田、父ハーツクライ)か、それとも外プールヴィル(牝3=庄野、父ルアーヴル)か。スローVTRでも勝敗の行方を確認できない。検量室前に引き揚げてくるとノーワンが1着用、プールヴィルが2着用のゾーンへ。写真判定にもつれ込み、検量室にピンと張り詰めた緊張感が漂う。5分後、裁決委員が同着を告げると両陣営ともに安どの表情。勝ちは勝ちだ。ノーワンの坂井はデビュー4年目で重賞初制覇となった。一昨年の秋に単身オーストラリアに渡って武者修行。じっくり腰を据えて国内で騎乗する今年一年に懸ける思いは強い。

 「同着でも重賞を勝てて良かったです。オーナーをはじめ笹田先生、関係者のみなさまに感謝したい」

 1枠1番から道中は中団のイン。徹底して内にこだわった。ラスト100メートルを迎え、最内アスタールビーとアウィルアウェイの間に生じたギリギリのスペースに突っ込んでいく。この場面は十分な間隔がないと判断され、2日間(16日と17日)の騎乗停止処分を受けたがパートナーの脚色は最後まで鈍らず。「追い切りの感触が良かったし、緩い馬場もこなしてくれました」と振り返った。中京にいた笹田師に代わって笹田助手が報道陣に対応。「小脚が使えてポジションを取れるタイプ。体が絞れて良くなってきたし、桜花賞の権利を獲れて良かったです」と笑みを浮かべた。

 プールヴィルの手綱をとった秋山は阪神JF5着、紅梅S2着に続いて3戦連続のコンビ。道中はちょうどノーワンの前にいて直線は前をさばいて外へ。キッチリ脚を引き出した。「ここ2走は悔しい思いをしたので何とか結果を出したかった。ゴールに入ったときは負けたと思ったから同着で良かったです」と胸をなで下ろす。いったん脱いだ勝負服を再び着用して勝利騎手インタビューに登場。その後、カメラマンのリクエストに応えて坂井と写真に収まった。庄野師は「最後は力が入ったね。2着かなと思ったし、半信半疑ではあったけど期待しながら待っていた」と笑顔。10年オークス(アパパネとサンテミリオンが1着)以来の重賞1着同着とドラマを演出した2頭はそろって桜花賞(4月7日、阪神芝1600メートル)へ。大舞台への道を自力で切り開いた。

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2019年3月10日のニュース