抜群の感性を持つ浜中 今年こそ小倉から飛躍を

[ 2018年8月31日 05:30 ]

浜中俊
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 【競馬人生劇場・平松さとし】浜中俊(すぐる)騎手は1988年12月生まれで現在29歳。小倉競馬場のすぐ近くで生まれ、幼い頃から家族に連れられて競馬場に通ううちに騎手を目指すようになった。

 「小学2、3年の頃にはもう“格好良い”という目で騎手を見るようになっていました」。5年生になると乗馬を始めた。高さには驚いたが「歩いた時の振動が気持ち良い」と感じ、好きになった。中学を出ると競馬学校に入学。2007年、栗東・坂口正大厩舎からデビューした。

 初勝利を挙げるまではデビューから1カ月以上要し、1年目20勝に終わった。しかし、その後は急成長。2年目の08年はデグラーティアによる自身初の重賞制覇となった小倉2歳Sを始め73勝、5年目は86勝。そして6年目の12年は131勝を挙げ、なんと24歳の若さにして全国リーディングの座を獲得した。

 そんな優秀な成績を思えば16、17年と60勝台に終わっているのは物足りない。そんな中、一昨年レーヌミノルで小倉2歳Sを制した時は、次のように語っていた。「小倉で勝ち上がった馬というと早熟の短距離馬というイメージがあるけど、この馬は少し違うと感じました」。結果、同馬は翌17年の桜花賞を優勝。浜中騎手の感性に誤りがないことを証明した。

 しかし、残念なことに桜の女王になった時、その背に同騎手はいなかった。前哨戦で同馬に乗った際、斜行し騎乗停止。それを機に乗り代わりとなってしまっていたのだ。

 さて、先日久しぶりに彼と食事をすると小倉で新馬勝ちしたヴェロックスの名を挙げ「小倉デビューの快速馬という感じではありません」と話していた。来年のクラシック路線では浜中騎手が鞍上にいることを期待したい。また、今週の小倉2歳Sではレーヌミノルと同馬主、同厩舎のルチアーナミノルの手綱を取る。同レース4勝の地元・浜中騎手が今年も魅せてくれることを願いたい。

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2018年8月31日のニュース