【新潟記念】菜七子、緊急参戦!JRA女性初重賞V狙う

[ 2018年8月31日 05:30 ]

<美浦・調教>乗り運動する藤田(撮影・村上 大輔)
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 25日に女性騎手のJRA最多勝記録を更新した藤田菜七子(21)が、9月2日の「新潟記念」(G3)にベアインマインド(牝5=加藤征)で緊急参戦することが30日決定した。今夏の競馬界の話題を独り占めにした菜七子。9月1日にはJRA4開催日連続Vに挑み、翌2日には自身8度目の重賞挑戦でJRA女性騎手史上初の重賞制覇という快挙で締めくくるか。大注目の一戦となる。

 頑張った夏のご褒美。気温がグングン上昇した木曜午後、菜七子の元に新潟記念への騎乗オファーが舞い込んだ。6月17日のユニコーンS(ミックベンハー)以来、8度目となる重賞騎乗。投票を確認し、厩舎関係者と入念な打ち合わせを終えた菜七子は「乗せてもらえるのは、とてもありがたいですね。期待に応えられるよう頑張りたいです」と目を輝かせた。

 騎乗するベアインマインドは当初、ダブル登録していた土曜新潟メインの長岡Sに大野で出走予定だった。だが、秋雨前線が停滞する新潟地方は週中から土曜まで雨予報。良馬場が理想なため、厩舎とオーナーサイドが再協議。新潟記念が行われる日曜には天気が回復する予報であることから、目標を出馬投票直前で変更。大野は体重の関係で軽ハンデ50キロの騎乗が厳しいため、急きょ、対応可能な菜七子に白羽の矢が立った。

 管理する加藤征師は「いずれにせよ今週使う予定だったから調整は順調。日曜の方が雨の影響も少なそうだから」とスライド出走でも態勢は万全。前走・佐渡Sは準オープンながら、今回と同じ舞台で1分56秒8(2着)の好タイムをマーク。格上挑戦だが良の時計勝負なら好走確率はグンとはね上がる。

 菜七子にとってもグッドタイミング。新潟記念の舞台となる外回り2000メートルは26日、新潟8RマルーンエンブレムでJRA通算36勝目を飾ったばかり。「向正面も直線も長くて、じっくり構えられるコース。この辺りで仕掛けていけば、というイメージもあります」と菜七子。勝利の残像をくっきりと脳裏に焼き付けたまま、レースに臨むことができる。加えて、ベアは全36勝中25勝と相性抜群の牝馬。菜七子は「そんなに勝っているとは知らなかった」とした上で「牝馬は一度嫌な気持ちにさせると走りに影響するので、機嫌を損なわないように乗ることを心掛けている」と話す。女性ならではの繊細な手綱さばきも、大きなプラス要素となるはずだ。

 ベアインマインドには調教も含めて初騎乗。「これまでのレースのVTRを見て、金曜(きょう31日)の朝に調教にまたがって感触を確かめたい」と意気込みを語った菜七子。勝てばJRA女性騎手の重賞制覇という史上初の快挙。最多勝記録に年間最多勝更新、初の1日2勝(8月19日)、月間5勝(8月)。勝つ度に女性騎手の道を開拓し続ける今の菜七子なら、あっさり快挙を達成しても驚かない。

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2018年8月31日のニュース