【尼崎オールスター】中島復活V!イン逃走で8年ぶりSG制覇

[ 2018年5月28日 05:30 ]

SG第45回オールスターを制し、優勝カップを掲げる中島
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 尼崎ボートのSG「第45回オールスター」は27日、12Rで優勝戦が行われた。1号艇の中島孝平(38=福井)がインから逃げ切って快勝。10年グランプリ以来8年ぶり2度目のSG制覇を達成した。賞金3500万円を獲得し、井口佳典を抜いて賞金ランキング1位に浮上。3年ぶり4回目のグランプリ出場に大きく近づいた。2着には5号艇の新田雄史、3着には3号艇の白井英治が入った。

 栄冠から約7年半の年月が流れた。苦悩を続けた努力家が、充実感にあふれた表情で語った。「うれしいのと、ホッとしているのと…」。ペラ制度が変わったことも一因となり、低迷期が続いた。良機を引いても、潜在能力を引き出せない。苦渋の面持ちでペラ調整を繰り返す姿が、近年のSG戦線での中島だった。

 今節は魚谷智之→和田兼輔と、地元選手で連続優出中の17号機を引き当てた。「ノーハンマー。叩くと乗り心地方面に走ってしまうので我慢しようと。何もしなくても日に日に良くなって、足は抜群でした」。知らず知らずに相棒は、節一の足に達していた。

 ファイナルは地元の吉川がカドからこん身のコンマ11を決めた。対してイン中島はコンマ17。「そこですね。もっと行きたかった。ちょっと放ってしまって。吉川さんは見えたけど、差しに回ったので冷静に旋回できました。ターンが少し浮いたけど、前を向いてからは良かったですね」と栄光のゴールへひた走った。「覚えていない。真っ白です。ゴール後は気が抜けて歓声も入ってきました。福井からも来てくれているので」とプレッシャーから解放され、安堵(あんど)と喜びに包まれた。

 「(GPと違って)予選から走って、得点トップで乗ったというのが大きい。人前に出るのも苦手で、派手なパフォーマンスもできない。それでも投票してくださるファンの方がいるので、水面の上で見せるしかない。どんなにいいレースをしようと、結果が全てなので。自分には全部が足りない」と勝っておごらず。

 年末の大一番も視野に入ったが「最終目標はそこですが、一戦一戦に集中して」と表情を引き締めた。寡黙な北陸の職人が、さらなる高みを目指して精進を続ける。

 ◆中島 孝平(なかじま・こうへい)1979年(昭54)11月8日生まれ、福井県出身の38歳。福井支部。84期として99年5月に三国でデビュー。01年8月江戸川タイトル戦で初優勝。10年住之江グランプリでSG初優勝。通算成績4823戦1344勝。優勝51回(SG2、G16)。1メートル60、50キロ。血液型AB。

 ◆次走 中島孝平、白井英治の次走は31日からのまるがめG1京極賞。松井繁、山崎智也、魚谷智之、菊地孝平、峰竜太ら強豪と優勝を争う。前田将太、吉川元浩、新田雄史は6月2日からの福岡G1福岡チャンピオンカップ。今垣光太郎、石野貴之、毒島誠、茅原悠紀、桐生順平らが相手。平本真之は6月6日からの住之江スポニチ創刊70周年記念第52回なにわ賞。石川真二、中辻博訓、長野壮志郎らとVを争う。

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2018年5月28日のニュース