【有馬記念】07年ゴッホほうふつ!アンプルール、舞台整った

[ 2017年12月20日 05:30 ]

サクラアンプルールは洗い場でも元気いっぱい
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 過去のデータから穴馬を導き出す「激走馬ロックオン」は07年覇者マツリダゴッホをほうふつさせる蛯名騎乗のサクラアンプルールを指名した。

 今年のグランプリの主役は、やはりキタサンブラック。1番人気はほぼ間違いない。これに続くのがジャパンCでブラックを撃破したシュヴァルグラン、3歳代表のダービー2着スワーヴリチャード。伏兵も多数いるが、単勝オッズは恐らく“3強”の様相だ。

 似た状況だったのが07年。1番人気は武豊騎乗メイショウサムソン。その年は、当時G2だった大阪杯の勝利を皮切りに、天皇賞春秋連覇を達成。ジャパンC3着からの臨戦とくれば、今年のブラックと“うり二つ”の戦績だ。2番人気はジャパンCでサムソンに先着したポップロック。ダービーを制した3歳牝馬ウオッカが3番人気で続いた。

 並み居る西の強豪を退け、頂点に立ったのは9番人気の関東馬マツリダゴッホ。当時、G2こそ2勝していたが、G1は2度の出走でいずれも大敗(天皇賞・春11着、秋15着)しており、低評価もやむなし。唯一の買い材料は、中山【4・1・1・1】の舞台適性だった。

 今年の出走馬に目を移すと“におう”馬が、すぐに見つかる。中山芝【3・1・1・0】のサクラアンプルールだ。当地で重賞勝ちこそないが、2月の中山記念ではネオリアリズムに3/4馬身差の2着。ロゴタイプ、ヴィブロス、リアルスティールなどG1級の豪華メンバー相手の銀メダルは価値が高い。夏にはG2札幌記念を制し、フロックでないことも証明した。2走前にG2勝ち→天皇賞・秋大敗で評価急落は、マツリダゴッホと全く同じ。前走を単に舞台適性がなかっただけと割り切れば、得意の中山で一変する可能性は十分ある。

 ゴッホ、15年Vゴールドアクターなど、関西馬が上位人気を占めるグランプリで波乱の主役となったのは人気薄の関東馬。秋3戦目の疲労が心配なブラック、中山向きとは言えないシュヴァル、リチャード。実力馬もそれなりに死角を抱える一戦。鞍上はゴッホを一世一代の激走へと導いた蛯名。10年前は、当時の流行語になぞらえ「俺ってKYかな」と、おどけた名手。歴史は繰り返す。ブラック一色でも、忖度(そんたく)しない走りで頂点へ。

 ◆07年有馬記念VTR 天皇賞春・秋制覇を達成したメイショウサムソンが1番人気に推されたが、後方で伸びを欠いて8着。2番人気ポップロックは5着。直前の天皇賞・秋15着で9番人気と急落していたマツリダゴッホが早め先頭で優勝。ダイワスカーレット(2着)が、引退戦の兄ダイワメジャー(3着)に先着。3連単80万馬券の大波乱。

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2017年12月20日のニュース