【天皇賞・秋】春のリベンジに燃えるデウス陣営「やれる力ある」

[ 2015年10月28日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=27日】天皇賞の借りは天皇賞で返す。春の天皇賞で有力視(3番人気15着)されたアドマイヤデウスが燃えている。先週21日には岩田騎乗のCWで鬼気迫る追い切りを消化。迫力満点の動きがいきなり“エンジン全開”を思わせた。この稽古を目撃したオサムが色めき立ったのも当然。

 だが、この日、橋田師を直撃するといきなり“肩透かし”を食らわされた。

 「今の東京は馬場が硬いし時計も速い。いかにもディープインパクト(産駒)向きの馬場でしょ?それに相手もそろっている。跳びが大きいから雨が降っても良くない。駄目だね」

 天皇賞に“ぶっつけ”になった理由に関しても「年内3走を予定。4回使うのは厳しいから」と。しかし、決して“仕上がりが悪い”とか、“久々が…”という言葉は出なかった。G1舞台にふさわしい状態、戦える態勢を整えるのは調教師のプライド。ましてデウスの場合は春に屈辱的な惨敗を喫しているのだから。

 春の天皇賞は大外17番枠に加え、ゲートで待たされ、出遅れる不利。さらに前に壁がつくれず掛かってしまった。レース後には熱中症の症状も見られ、その後、骨折(右第1指骨剥離骨折)が判明。復帰戦に懸ける思いはどの陣営より強い。

 担当する松田助手は愛馬の成長に目を細め、穴党が期待する強気なコメントを聞かせてくれた。

 「体はひと回り大きくなっている。これから一線級と戦うにはこれぐらいの体でないと。力を出せる状態にあるしポン使いも利く気性。やれる力はある」

 この馬の非凡さはダービー以来の休養明けでぶち抜いた1月の日経新春杯が物語る。手綱を取った岩田は「これからのデウスを見てほしい」と誇らしげだった。“気持ち”で走るこの馬に、常識は当てはまらない。

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2015年10月28日のニュース