【日本ダービー】ドゥラ2冠 弱点激変、デムーロ確信「凄くいい」

[ 2015年5月29日 05:30 ]

さあ2冠!!M・デムーロを背に追い切るドゥラメンテ(手前)

 2冠へ荒ぶる皐月賞馬が万全の態勢を整えた。競馬の祭典「第82回ダービー」の木曜追いが28日に美浦トレセンで行われクラシック1冠目の皐月賞を圧勝したドゥラメンテが、主戦ミルコ・デムーロを背に3頭併せで楽々と最先着。課題の気性面にも進境を見せ“ダービー馬”の称号へ大きく前進した。同日、出走馬と枠順も決定。ドゥラメンテは7枠14番から戴冠を狙う。なお、29日にウインズ後楽園で金曜発売される。

【日本ダービー】

 激し過ぎる気性が弱点の皐月賞馬が、頂上決戦の直前で進化を遂げた。ドゥラメンテの最終追いはWコースで3頭併せ。「他馬と馬体を接した状態での折り合いを見たい」という堀師のテーマ通り、前半から接近した3頭の2番手を進む。左右から挟まれる形で直線を向き、馬なりのままグイッと前へ。内のシャドウパーティーに半馬身、外のオコレマルーナ(いずれも6歳1600万)には1馬身先着した。

 「馬の気持ちにムラがあったのか、ハミを取るところが見受けられた。そのあたりを騎手も感じ取り、(レースでは)修正してくれると思う」

 堀師は辛口とも取れるジャッジを下したが、追い切り前の雰囲気に明確な変化があった。いつも通り首を振るシーンはあったものの、皐月賞時や1週前追い切りのように立ち止まったり後ずさりせず、スムーズに追い切りはスタート。制御の難しさは、明らかに改善されている。躍動感や反応の鋭さも一段とアップした。皐月賞以来、久々に騎乗したM・デムーロも「敏感なところはあるが、問題ない。凄くいい」と、仕上がりの良さに太鼓判を押した。

 結果的には圧勝だった皐月賞だが、4コーナーで大きく外へ膨れる若さも露呈(デムーロは騎乗停止)。堀師は「瞬時にトップスピードに入れる馬が、外へ持ち出しながら進路を探し、コーナーを曲がり切る前に得意の左手前(軸脚)に替えたため、ベクトル(力の方向性)が外に向いたのがあの場面」と状況を理路整然と説明。「どの程度動かしたら、どの程度動くのか。調教と競馬ではレスポンスが違うが、1回経験すれば問題ない」と“再発”がないことを約束した。

 初距離の東京芝2400メートルについても「メンタルが平常なら、操縦が難しい馬ではない。こなしてくれると思う」と克服に手応え十分。最後は「未完成だが、与えられた期間の中では、能力を出せる出来に持ってくることができた」と結んだ。

 課題を見つけては、修正の繰り返し。地道な努力で管理馬の非凡な才能を開花させてきた指揮官の表情には、自信が満ちあふれている。あとは2日後に迫った晴れの舞台を、静かに待つだけだ。

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