脈々と受け継がれる渋谷家の競馬道

[ 2015年5月29日 05:30 ]

 【地方競馬です!!】今月31日付での引退を前に28日、浦和5Rで愛馬・エリューシヴのゴールを見届けた渋谷信隆師(76=船橋)。42年間の調教師生活最後のレースは直線で勝ち馬にかわされ、1馬身半差の2着。少し悔しさをにじませつつも「寂しいけど、体が元気なうちにやめようと思っていたからね。最後は人馬ともに粘って頑張ってくれた。上等だよ」と笑顔を見せた。

 地方、中央で通算7176戦455勝。80年のキヨフジ記念(現・エンプレス杯)を制したダークハリー、92~95年にかけてデビューから15連勝を記録したブレーブウィナーの2頭が特に印象深いという。ともに師が牧場に足を運び、自らの目で探し出した。

 師の背中を見て育ち、05年に厩舎を開業した息子の信博師(45)が同日8Rを勝ち、父の引退に花を添えた。同じ道を進む息子に伝えたいことを聞くと、「ずっと一緒にやってきたから分かっていると思う」と父・信隆師。信博師も「見てきたこと全てが教えとなって体に染みこんでいる」と語った。「引退後はのんびりと旅行をしたり、自分で馬を探してきて馬主もやってみたい」。父の教えは息子に引き継がれ、親子の競馬人生はまた違う形で続いていく。(秋田 麻由子)

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2015年5月29日のニュース