【日本ダービー】サトノクラウン万全 3頭併せ半馬身先着12秒5

[ 2015年5月29日 05:30 ]

C・ルメールを背にWコースを3頭併せで追い切るサトノクラウン

 美浦トレセンで行われた木曜追いでは、サトノクラウンがルメール騎乗で万全の態勢を整えた。

 Wコースのわずか30メートル前を走る僚馬ドゥラメンテに報道陣の視線が集まる中!?サトノクラウンは静かに3頭併せを消化した。馬場入りからおとなしく従順で、折り合いはピタリ。直線は真ん中を割った。ルメールが手綱を押さえたまま、黒光りする体がグイッと前へ出た。4F54秒6~1F12秒5。内スプリングアース(3歳未勝利)に半馬身、外ステラスターライト(3歳500万)に1馬身半先着。完璧な逆襲リハだ。

 ルメールは笑みを浮かべて「ホントにいい状態。リラックスしていて、ストライドはスムーズ。コンディションは完璧。とてもうれしい」と、すっかり慣れた日本語を流ちょうに操った。

 1番人気に推された皐月賞は6着。出遅れ、4コーナーでは外に振られる不利も響いた。堀師は「皐月賞は少し調教をやり過ぎた反省があった。ゲートも悪かったが、装鞍所では既に平常心を欠いた状態。行きっぷりが悪かったのも状態にあった」と冷静に回顧。その上で「それでもしまいは伸びた。不利なく力を出し切れば、2~3着はあった」と能力を再確認した。

 皐月賞での疲れを配慮して、中間は美浦に残って調整。放牧地との輸送負担をなくしたことで、皐月賞で減った体(8キロ減)も回復した。堀師は「皐月賞後の疲れが思った以上で、ピッチを上げていくのに慎重を期した。きょうはトップスピードに上げず、本来の切れは競馬に取っておいた。ジョッキーも把握して乗ってくれた。体は10キロほど増えた」と納得の表情だ。

 東京は2戦2勝。残り1F、幾重の壁の中から突き抜けた昨秋の東京スポーツ杯2歳Sは強烈だった。操縦性の良さと、強烈な爆発力はメンバー屈指。堀師は「距離はこれまでの調教を見ても問題ない。ドゥラメンテほどは気を使わない。中山も合うと思うけど、東京が合うのは間違いない」と反攻を期した。

 この日決まった枠は11番枠。「理想は5~12番枠。内すぎると包まれることがあるし、外すぎると作戦が難しい」とルメールの希望がかなった好枠だ。3月にJRA通年免許を取得した鞍上にとって、日本ダービーは初参戦。「ダービーはどこの国でも、一番大きいレース。参加できるだけでもうれしいのに、チャンスがある馬に乗れて楽しみ」と胸を躍らせ、ゲートインを待っている。

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2015年5月29日のニュース