【日本ダービー】“奇跡のコンコルド”とダブるアダムスブリッジ

[ 2015年5月27日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=26日】快晴。風も爽やか。絶好の取材日和となったダービーウイークの火曜だが「ん!?」。調教スタンドは閑散。トレーナーの姿が見当たらず、オサムが焦ったのも当然。そう、26日は札幌競馬場でHBA(日高軽種馬農協共同組合)のトレーニングセールが行われ、指揮官たちはこぞって出席していたのだ。

 そこへ“待ち人”登場。火曜から熱心に調教の手綱を取っていたのはアダムスブリッジに騎乗する和田。アズマシャトルから降りた直後を直撃。この男の強気が聞きたかった。

 「ええ、状態はすこぶる良さそうです。先週乗りましたけど、前走とは全然違う。しかしキャリアも浅いので。当日のテンションやゲート、輸送など、クリアしなければならない課題は多いですから」

 皐月賞を挫石で回避。物足りなさを感じさせた若葉S3着からの臨戦とあって人気は皆無。が、新馬戦からクラシック登竜門と言われる若駒Sを連勝した内容は圧巻。間違いなく超一流の取り口だった。鞍上が慎重なコメントから切り出し、徐々に強気になっていくのは期待通りだ。

 「若駒Sの雰囲気が戻ればここでもそんなに見劣らない。小回りで勝ってきていますが、広いコースでこそというタイプ。能力的に劣るとは思わないので楽しみはありますよ。ギャンブル的に乗れるかな…の気持ち。穴ですよ、大穴!!」

 “穴”という言葉に刺激され、古い記憶がよみがえってきた。96年。わずか2戦(新馬→すみれS)のキャリアでダービーを制したフサイチコンコルド。“確勝級”のダンスインザダークをネジ伏せた奇跡のダービー馬と雰囲気がダブる。あの時も藤田は強気だったのだ。ブリッジの兄は11年のラジオNIKKEI杯で後のG1・6勝馬ゴールドシップを完封したアダムスピーク。この血統、ナメてはイケない。 

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2015年5月27日のニュース