【高松宮記念】エアロヴェロシティ別格戴冠 香港短距離王が日本制圧

[ 2015年3月30日 05:30 ]

エアロヴェロシティの鞍上でガッツポーズするパートン

 アウェーの地でも香港スプリントの覇者は強かった!「第45回G1高松宮記念」は29日に雨の中京競馬場で行われ、中を割った香港馬・エアロヴェロシティが3頭のゴール前の追い比べを制し、外国馬として初めて当レースを制覇した。2番手からレースを進めたハクサンムーンが粘って2着、外を伸びたミッキーアイルが3着に入った。1番人気のストレイトガールは13着に敗れた。

【レース結果】

 初遠征も、左回りも、荒れ馬場もクリア。香港スプリントの覇者エアロヴェロシティが、ゴール前の追い比べを“黄金の右脚”で制し、日本勢に「格」の違いを見せつけて国際競走となった01年以降、外国馬による初制覇の快挙を成し遂げた。

 スタート良くスッと2番手に取り付くと、道中は折り合いに専念。午前中から降り続いた雨の影響で各馬が荒れた馬場を嫌って、4コーナーで馬群が外にバラけたところを、内ラチから7頭ほどのラインを突いてスパート。いったんはハクサンムーンに先頭に立たれたが、外から来たミッキーアイルに馬体を接するとエンジン再点火。ゴール前で“黄金の右脚”を繰り出してハクサンムーンを半馬身差退けた。

 香港で右回りしか経験していないことから、左回りが心配されていた。だがパンチー・ン助手は「かき込む力が強い。直線も肝心なところでは右手前。デビュー戦以来の左回りだが問題ない」と右前脚を長所に挙げていた。基本的に馬はコーナーを右回りなら右、左回りなら左脚を軸にして回り、最後の直線は利き脚とは逆の脚が基本になる。左回りの中京でエアロは助手の言葉通り、力強い末脚を繰り出したのだ。

 初の海外遠征だったが、帯同馬は不在と“孤独”な環境下での闘い。だが同助手が「カイバ食いも良く、単独でもエンジョイできている」と追い切り後に話したように、強じんな精神力ではね返した。この日は香港からオーナーの友人ら30人の大応援団が駆けつけ、胸に「格」のステッカーを貼り声援を送った。エアロのメンコにも書かれた「格」の文字が、“格上の存在”を意識させた。「格」はオーナーのN・ヨン氏の冠名で中国語で「クール、ハンサム」の意味である。

 殊勲のパートンは「後ろからでも競馬ができる馬なので無理して行かなかった。雨は初めての経験で馬場に脚をとられてバランスを崩したが、坂を上がって馬場のいいところを通ってからは復活してくれた。本当に強いハートを持った馬です」と笑顔がはじけた。

 オサリバン師も「日本馬のレベルは高く、勝つことの難しさは分かっていた。ジョッキーもうまく乗ってくれたし、最後はこの馬の勇気を見せてくれました」と人馬を称えた。

 秋はスプリンターズS(10月4日、中山)も視野に入れている。「輸送も左回りもこなしてくれた。候補としては強いものがある」と同師。馬名は“飛行機のように速く”。秋には再び日本のファンを“黄金の右脚”で魅了するかもしれない。

 ◆エアロヴェロシティ 父ピンズ 母エクソダス(母の父カープスタッド)セン7歳 香港・P・オサリバン厩舎所属 馬主・N・ヨン氏 生産者・ニュージーランドのN・E・シック&S・J・ティル 戦績17戦9勝(うち中央1戦1勝)総獲得賞金約4億228万円。

 ◆ザカリー・パートン 83年1月3日、豪州生まれの32歳。00年騎手デビュー。12~13年シーズンに112勝を挙げ香港リーディング。昨年は母国豪州のG1コーフィールドCを、日本馬アドマイヤラクティで優勝した。JRA・G1は3度目、同重賞は5度目の騎乗で初勝利。JRA通算成績51戦11勝。

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