【スプリンターズS】安田師 レッドオーヴァルで金字塔、V4だ

[ 2014年10月3日 05:30 ]

厩舎の先輩に続きたいレッドオーヴァル

 秋のG1シリーズ開幕戦「第48回スプリンターズS」の出走馬が2日、決まった。レッドオーヴァル、ダッシャーゴーゴーの2頭出しの安田隆行調教師(61)はこのレースを11年カレンチャン、12、13年ロードカナロアで制して3連覇中。史上初となるJRA同一G1・4連覇に挑む。中でもレッドは昨年の桜花賞2着の実績の持ち主。スプリント路線変更後は持ち前のスピードで高い適性を発揮、自身初のG1タイトルをつかむとともに厩舎の偉業達成を目指す。

【スプリンターズS】

 11年スプリンターズSをカレンチャン、12、13年をロードカナロアで制している安田厩舎が、2頭出しで史上初のJRA同一G1・4連覇という偉業に挑む。ただし安田師は冷静だ。

 「4年連続で出走できるだけでも光栄です。昨年は勝たなければ、という気持ち。でも今年はチャレンジャーという立場ですから」

 期待の4歳牝馬レッドオーヴァルは、昨年桜花賞で2着も、オークスは17着、ローズS13着と“距離の壁”に泣いた。4歳を迎えて短距離にシフト。3月の高松宮記念は大荒れ馬場に瞬発力をそがれ14着に終わったが、敗戦から得た収穫もある。カレン、ロードの調教を担当した安田翔助手は、反撃すべく“変化”を求めた。

 「精神的にも肉体的にもプレッシャーをかけなければ強くならない。小柄な牝馬で以前は気を使いながらの調整だったが、今年の春ぐらいから負荷を掛けられるようになってきた」

 今夏の札幌遠征は陣営の賭けだった。サラブレッドは群れで行動する習性ゆえに環境の変化に敏感で、遠征は時に大きなストレスになる。あえて厳しい環境で鍛え上げて心身の充実を促した。そんな期待に応えて夏の札幌で大躍進。前走キーンランドCでは、後方からメンバー最速の末脚で首差2着に健闘した。

 「遠征の効果もあって力強さが増してきた。馬場の荒れた時間帯に調教してきたことで馬自身が体を起こして、いつでも加速できるような走り方になった。息もできているし、いい状態で臨めそうです」

 一瞬の隙が命取りになる6F戦では自在性が大きな武器になる。今のオーヴァルには、密集した馬群の中を縫って進出する一瞬の加速力、つまり器用さが出てきた。それこそスプリンターズS3連覇を果たした安田厩舎の“レースをイメージした仕上げ”。偉業達成、その時が刻一刻と近づいてきた。

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