【伊東・共同通信社杯】新田G2初優勝 5月からの自粛欠場前に

[ 2014年4月30日 05:30 ]

プレゼンターの中村アンから優勝を祝福される新田祐大

 強烈まくりで新田がV。G2「第30回共同通信社杯」の決勝戦が29日、伊東競輪場で行われ、豪快にまくった新田祐大(28=福島・90期)が優勝。賞金2130万円(副賞含む)を獲得した。新田のG2優勝は初めて。2着には新田マークの成田和也が入り福島勢のワンツーとなった。なお、優勝した新田をはじめ村上義弘、平原康多らは選手会脱退騒動のため、5月1日から長期間の自粛欠場に入るため、これが今年最後のレースとなった。

 5月から自粛欠場に入る新田が今年のラストランでG2初優勝を飾った。

 「(決勝戦が)今年最後のレースになるし全力でゴール線まで踏もう」。新田はいつも以上の強い気持ちで決勝戦に挑んだ。二次予選で上がりタイム9秒0のバンクレコードを叩きだし、準決勝も9秒1のまくりで快勝。万全の状態の新田が最終ホームから踏み込むと前団を捕らえ成田とのゴール前勝負に持ち込んだ。

 「成田さんとワンツーが決まって本当にうれしい。成田さんは僕が失敗してもいつも“好きに走れ”と言ってくれた」。10年12月に「SSカップみのり」を優勝、昨年はグランプリに初出場。ビッグ優勝(G2以上で4日制以上)も時間の問題と評されていた新田は深谷や平原とのスピード対決を制して結果を出した。

 表彰式ではファンの温かい声援に感極まり号泣。「今以上の力をつけて帰ってきますので待ってて下さい。明日からすぐに練習します」と喜びに浸ることなく更なる練習を誓った。

 12年のロンドン五輪に出場、自転車競技のトップでもある新田は「5月から12月まで自分の中でプランニングしている」と16年のリオ五輪を見据えている。「リオ五輪は既に始まっている。そのために無駄な時間を過ごさない。世界で一番になるには、まず日本で一番になる」と気持ちも強い。

 「僕ら福島県出身者は大震災以降、それぞれに思いがある。僕は“福島の新田祐大”として大好きな競輪と五輪で頑張る」。明確な目標がある新田は来年1月にパワーアップした走りを見せるはずだ。

 ◆新田 祐大(にった・ゆうだい)1986年(昭61)1月25日生まれの28歳。福島県会津若松市出身。県立白河高卒。05年7月プロデビュー。通算成績は625戦189勝。通算取得賞金は3億3326万円。1メートル73、87キロ。血液型O。

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