【マイルCS】メジャーの傑作マッジョーレ 90年パッシングに倣え

[ 2013年11月13日 06:00 ]

坂路で調整するダイワマッジョーレ。パッシングショットと同じ道を歩む

 マイルCSの申し子と言えるのがダイワメジャー。06、07年に1番人気で連覇しているが、その前年の05年にも勝ち馬ハットトリックから鼻差の2着。マイルCSを連覇した馬はメジャーを含め5頭いるが、3年連続連対を果たしたのはメジャーだけ。皐月賞も天皇賞も制した名馬だが、最も輝いたのは晩秋の淀のマイル。種牡馬となった今も、この舞台だけは“俺が一番強い”と思っているだろう。

【マイルCS】

 今年、父が躍動した舞台に産駒が初登場。しかも3頭だ。父子制覇なるか。3頭の優勝の可能性を探る。

 まず、最も格上の存在はG1馬カレンブラックヒル。だが、安田記念からの直行組は過去6頭が全て惨敗。カレンは今年未勝利。無敗でNHKマイルCを制した3歳時の勢いは感じられない。

 続いて前哨戦のスワンSを制したコパノリチャード。伸び盛りの3歳で京都は3戦全勝。これだけで手を出したくなるが過大評価は禁物。スワンS1着馬がマイルCSで連対したケースは7回あるが、いずれもスワンSは3番人気以内。本番前から能力を評価されていた。コパノはスワンSで8番人気。過去に8番人気でスワンSを制したのは92年ディクターガール、00年ダイタクヤマトと2頭いるが、本番ではそれぞれ16、4着に敗れている。逃げ馬だけに今回はマークも厳しくなりそう。

 残ったのはスワンS2着ダイワマッジョーレ。スワンS2着馬がマイルCSを制したのは過去2例。94年ノースフライトは同年の安田記念馬。今年はこのような絶対的な存在がいない。だが、もう1頭のパッシングショットとマッジョーレの軌跡は奇妙に一致する。3走前に重賞初V。その後、強敵相手の重賞で惨敗し、休み明けで臨んだ前哨戦で2着に好走した点が一緒。スワンS2着馬の“Vパターン”なのか…。ちなみにパッシングのスワンSはナルシスノワールの逃げ切りを許したものだが、マッジョーレの前走もコパノリチャードが逃げ切り。レース内容までそっくりだ。

 マッジョーレとはイタリア語で「最高の」という意味。つまり英語のメジャーと同義だ。大城敬三オーナーの期待のほどがうかがえる。今年で30回目を迎えるマイルCSだが、不思議と父子制覇はない。偉大な父と同じ勝負服の息子が、節目の年に最高のレースで初の父子制覇。そんなドラマチックな結末に期待する。

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