【凱旋門賞】ペリエが今年も立ちはだかる アンテロで連覇に自信

[ 2013年9月24日 06:00 ]

ペリエは日本馬警戒のコメントとともにニヤリと笑った

 昨年の凱旋門賞でオルフェーヴルVという日本人ファンの夢を打ち砕いたオリビエ・ペリエ(40)。今年は仏ダービー馬アンテロでの参戦が予定されているが、日本馬2頭をどう見ているのか。そしてアンテロでの勝算は?平松さとし通信員が直撃した。

 昨年の凱旋門賞。誰もが勝利したと思えたオルフェーヴルをゴール寸前で差し返したソレミア。その鞍上は日本でもおなじみのO・ペリエだった。

 「私の経験が少し勝っていただけ。昨年に関しては、最も強い競馬をしたのはオルフェーヴルであることに間違いない」

 ペリエはそう言って昨年の金星を振り返った。では、今年はどうか?4回の凱旋門賞優勝記録を持つ彼は、日本馬の可能性について次のように語る。

 「オルフェーヴルが引き続き強い状態のままフランスに来たことはフォワ賞でよく分かった。当然、彼の存在を無視してレースを組み立てることはできないだろう」

 一方のキズナに関してはニエル賞で見せた末脚に「感心した」と言った後「日本ダービーのVTRを見せてもらい、末脚の素晴らしい馬であることは分かっていたけど、本当に思った通りだったね。日本馬のレベルを考えれば、こちらも勝利圏内にいるだろう」と続けた。

 さらに武豊が鞍上であることにも触れ「やっぱりユタカは素晴らしい。ロンシャンの経験も豊富だし、ディープインパクトの子供らしい持ち味をフルに発揮させているよ」と評した。

 また、凱旋門賞で有利とされる3歳での挑戦については「通常は重量面で恵まれる3歳が有利だけど、日本からの遠征となると必ずしも有利とは言えないと思っていた。若い馬にとって長距離輸送がネックになると思ったんだ。でも、ニエル賞の勝ち方や、大人びたところを見せられるとキズナにはそんな不利はないようだね」と見直したようだ。

 そのペリエが今年、コンビを組むのは仏ダービー馬アンテロ。現地では2000メートル戦を勝った後、中1週での挑戦になる点が話題となっているが…。

 「調教師はアンドレ・ファーブル。ロンシャンの2400メートルの勝ち方を最も知っている調教師だから、何も気にならない」

 A・ファーブルは過去に凱旋門賞を7回も勝っている調教師。ペリエがそう語るのもうなずける。また、アンテロの特長については「僕が過去に凱旋門賞を勝ったパントレセレブル同様、本当に素直でコントロールもしやすい馬だよ」と自信をにじませた。偉業に挑む日本馬2頭にとっては不気味な存在となることは間違いなさそうだ。

 ◆オリビエ・ペリエ 1973年1月12日、仏北西部マイエンヌ県生まれの40歳。94年ヤングジョッキーズワールドチャンピオンシップで初来日。00年フェブラリーS(ウイングアロー)で日本G1初制覇。10年ジャパンC(ティモス15着)を最後に日本での騎乗から離れている。日本では、2292戦379勝、重賞39勝。

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2013年9月24日のニュース