【桐生・新鋭王座決定戦】篠崎ラスト飾る イン押し切り初G1

[ 2013年9月24日 06:00 ]

新鋭王座決定戦で優勝した篠崎仁志(中)。左は南明奈

 ボートレース桐生のナイターG1「第28回新鋭王座決定戦」は23日12Rで優勝戦が行われ、1号艇の篠崎仁志(25=福岡)がインから押し切って快勝。15回目のG1挑戦で初制覇を飾り、最後の新鋭チャンプの座を射止めた。今回の優勝によりSG総理大臣杯(14年3月18~23日、尼崎)の出場権を獲得。また優勝賞金1000万円を上乗せしたことで、今年の賞金ランキングも23位まで上昇。今年後半のSG参戦へ大きく視界が広がった。

 最後の新鋭王座ウイナーに輝いたのは篠崎だった。ダッシュ勢が好スタートを決めて攻めてくる展開だったが、冷静沈着な全速ターンで1Mを乗り切って先頭へ。さらに1Mで事故が発生したことにより、1周バックで勝利が決定的となった。「先に(1Mを)回らせてもらったし事故もあったので、すぐに勝ったと思った。ただ事故した人のケガが不安で、素直には喜べなかった」。複雑な心境から、ゴールでは左手で小さくガッツポーズをするにとどまった。

 今回で28年の歴史に幕を下ろす新鋭王座決定戦。今やSG覇者となった兄・元志も獲れなかったタイトルだが、弟の仁志はラストチャンスで見事に結果を出した。だが「兄はまだ雲の上の存在」という。「僕は初めての新鋭王座の優勝戦で緊張しているくらい。それに比べて、兄はSGの優勝戦に何度も乗って優勝もしている。そんな簡単に追いつける相手ではない」と謙虚に語った。

 その兄・元志は今月1日のMB記念の優勝戦でフライング。SG戦線への復帰は賞金王決定戦を除き、早くても来年10月の全日本選手権となる。今回の優勝により11月のチャレンジC、12月の賞金王シリーズ、来年3月の総理杯の出場権を手中に収めた仁志だが、笹川賞以来2回目のSG兄弟そろい踏みはお預けとなった。「兄のことを凄いと思うし、これからも兄が目標。これは神様が兄に追いつく機会を与えてくれたのだと思う。僕もSGで活躍したい」。この1年間で一歩でも偉大な兄に近づく構えだ。

 来年度からは装いを新たにする若手のレース体系。最後の新鋭チャンプは、もちろんヤングダービーの覇者も狙っている。「ヤングダービーは新鋭王座よりも価値が高いと思う。2つとも獲りたい」。若手のけん引役と、SG戦線での新星となるため、仁志の挑戦はまだまだ続く。

 ◆篠崎 仁志(しのざき・ひとし)1987年(昭62)12月3日生まれの25歳。福岡支部所属。07年9月22日登録の101期生。同期は片岡雅裕、後藤翔之、守屋美穂ら。今年6月の尼崎周年記念でG1初優出(3着)。通算14V。1メートル67、50キロ。血液型A。

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2013年9月24日のニュース