【JCダート】待ってろトラン!!エスポ完全復活

[ 2011年12月1日 06:00 ]

<JCダート> 坂路コースで追い切り、佐藤を背に抜群の動きを見せるエスポワールシチー

 1年7カ月ぶりのG1勝ちで完全復活だ!「第12回ジャパンCダート」の最終追いでエスポワールシチーが坂路4F51秒5の好時計をマークした。昨秋の米国遠征の疲れが尾を引き全盛時の勢いを取り戻せずに来たが、ダートG1・5勝の実力馬がようやく本来の出来に戻った。“2強対決”トランセンドとの戦いを制して、再びダート王の座に君臨する。ジャパンCダートの枠順は1日に確定、3日に前売りされる。

 全身をバネのようにしならせて急勾配を駆け上がった。エスポワールシチーの最終追い切りは主戦の佐藤騎手がまたがって坂路コースの単走。人馬が呼吸を合わせ軽快にラップを刻んでいく。コースに入ったのが開門から約10分が経過し、ちょうど馬場が荒れだした時間帯。そんな力のいるコンディションでも前へ、前へと突き進んでいく。最後はグッと重心を沈めてトップスピードへ。モニターに刻んだタイムは4F51秒5~1F12秒7だった。

 佐藤が感触を伝える。「けさは1番手が行ったあとで結構、悪い馬場だったけど前へ行こうという気持ちが出ていた。元気の良さとか目つきを確認したけど、何かを考える目つきをしていたし覇気が出てきた。段階を踏んで良くなっているね」

 先週は馬場が重いCWコースで6F82秒8~1F13秒0を計時。走りにくい馬場でのめりながらも1週前にしっかり負荷をかけて息をつくり、最後のこのひと追いにつなげてきた。

 秋は始動戦の南部杯が4着、前走・みやこSを快勝してここに照準を合わせた。その前走は3馬身半差の快勝。勝ちっぷりだけでなく、佐藤は内容を評価している。「挟まれる形で、かなりきつい展開だったけど最後まで余力があったからね。2番手でピタッとはまって競馬ができたのは状態がいいから」と振り返った。09年かしわ記念からダートGIを5連勝した実力馬が、ようやくらしい走りで存在感を示した。

 デビューから26戦中21戦で手綱を取り、苦楽を共にしてきたパートナーを佐藤は親しみを込めてエスポ君と呼ぶ。「春先はどっちつかずで中途半端だった。前走は勝ったことも大事だけどエスポ君らしい走りができたのが何より。フォームが固まってきたね。だいぶしっかりしてきたよ」

 一昨年の覇者エスポワールシチーVS昨年の覇者トランセンドという構図で盛り上がる今年の阪神ダート頂上決戦。佐藤は「JRAの現ダートチャンピオンに向かっていける状態。負かしたい気持ちは強いし、エスポ君と一緒に頑張って久しぶりにJRAのGIを獲りたい」と明かした。人馬一体、魂を込めた走りで栄光のゴールを目指す。

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