【JCダート】アワーズの勝負根性がスゴい

[ 2011年12月1日 06:00 ]

<JCダート>CWコースで追い切るニホンピロアワーズ

 【G1ドキュメント・30日】今週はG1の全出走馬が栗東で最終追い切りを行う珍しいケース。次から次へと調教が行われ、息つく暇もない。記者席に陣取った浜田もコースと坂路モニターを交互に見ながら、各馬の動きに目をこらす。

 気になったのはニホンピロアワーズ。主戦の酒井が手綱を取り、スタンド前からCWコースへ。7Fから時計を出す(97秒2)意欲的な内容。直線もステッキを使われていっぱいに追われたが、少し頭を上げて失速したようにも見えた。

 引き揚げてきた酒井に「最後は失速?」と質問をぶつけてみると、正反対の答えが返ってきた。「脚が上がったのではなく、1頭になって気を抜く癖を出しただけ。だからステッキを入れて気合をつけた。動き自体には、むしろ余裕があったくらい」。それでもあえて単走追いを選択したのは「前走で併せ馬をしたら、前の馬を追いかけ過ぎて時計が速くなったから」。馬の特徴を知り尽くしているだけに納得の表情だ。

 実戦でも「ポツンと1頭になるとフワフワするが、前の馬を見つけるとグッとハミをかんでくれる」。非凡な勝負根性が持ち味で、ゴール前が激戦になればなるほど真価を発揮する。「初めて調教に乗せてもらった時から、重賞で活躍できると感じた」と振り返る鞍上は「トモ(後肢)が弱く詰めて使えなかった馬が、今はしっかりしてダート馬の体形になってきた。強い2頭にどう対応していくかだが、まだまだ上積みがあるので楽しみにしている」と笑顔を見せた。2強の叩き合いにしぶとく食らいつけば…。大仕事をやってのける可能性も十分だ。

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2011年12月1日のニュース