【JCダート】センド猛時計封印、気分良く52秒6

[ 2011年12月1日 06:00 ]

<JCダート>坂路を軽快に駆け上がる昨年の覇者トランセンド

 「第12回ジャパンCダート」の最終追い切りで、前年覇者センドは坂路でパワフルな走りを披露。フェブラリーS、南部杯に続き、今年のJRA・ダートG1完全制覇の期待が膨らむ。なお、ジャパンCダートの枠順は1日に確定する。

 トランセンドの最終追いは坂路。陣営は併せ馬ではなく単走を選択した。「乗り手が2度ほど脚を滑らせたと言っていた」と切り出した安田師だが、明るい表情で「気分良く流せた。時計は以前に比べると地味だが、内容自体は完璧だね」と続けた。

 その言葉通り、力強くウッドチップを蹴り上げ迫力に満ちたフットワークで坂を駆け上がってきた。4F52秒6、ラスト1Fは12秒5。前走のJBCクラシックの追い切りでは4F49秒8の猛時計をマークしたが、秋3戦目の今回はそれほどやる必要もない。予定通りの内容だ。

 厩舎に初G1勝利をもたらしてからちょうど1年。安田師は「ゴール後に身震いしたのを、きのうのことのように覚えている。1年は早い。あっという間」と昨年のこのレースでの圧巻の逃走劇を懐かしむ。今年は立場が替わり、王者として挑戦者を迎え撃つ。「JCダートを連覇した馬はいないので何とか勝ちたいね」と思いを明かした。

 興味深いのは作戦。単純に言えば“行くか、控えるか”で二者択一。会見で師は「本来はハナ一辺倒だったが、控える競馬も板について安心して見ていられるようになった」と話した。昨年のJCダートを逃げ切って以降、今年のフェブラリーSも逃げ切り。さらにドバイワールドCで日本馬ワンツーをもたらした2着も逃げ粘ったもの。そんな直球勝負に、変化球が加わったのは2走前からだった。南部杯→JBCクラシックは2番手でレースを進めている。

 今回も宿命のライバルと目されるエスポワールシチー、逃げ一本でのしあがってきたトウショウフリークがいる。師は会見後の囲み取材でこう本音を漏らした。「前走後にも(藤田)ジョッキーと話して“ハナに行く方が気持ち良く走れるね”とお互い同じ意見だった。だから理想は逃げ」。タイトル防衛へ小細工なし!その口ぶりから、スマートな好位差しではなく“来るなら来い”の荒々しいまでの逃げにこだわる。意地と意地とが激しくぶつかり合う先陣争いから目が離せない。

続きを表示

この記事のフォト

2011年12月1日のニュース