【帝王賞】ファルコン「完成」9馬身差V!ドバイWC目標

[ 2011年6月30日 06:00 ]

<帝王賞>9馬身差で圧勝したスマートファルコン

 上半期のダート王決定戦「第34回帝王賞」が29日、大井競馬場で行われ、1番人気スマートファルコン(牡6=小崎)が逃げ切って快勝した。2着エスポワールシチーとの差は9馬身。同レース史上最大の着差で交流G1・3勝目、交流重賞5連勝を飾り、自身が持つダートグレード最多勝記録を15に更新した。騎乗した武豊騎手(42)は24年連続G1勝ちを達成した。

 ピンクの勝負服がカクテル光線に映えた。ウイニングランをするスマートファルコンの鞍上で武豊は何度もファンに手を振った。「落とせない一戦。断然の1番人気に応えられてホッとした。ノーステッキでG1を勝ったのは初めてだろう」。24年連続G1勝ちを決めた第一人者はディープインパクトでもなし得なかった勝ちっぷりに舌を巻いた。

 2番人気エスポワールシチーも勝負を仕掛けたが、そのたびにはね返した。スタートして外からジワッと接近、向正面でも距離を詰められた。だが、直線、問答無用とばかりに9馬身突き放した。勝ちタイムの2分1秒1は昨年の東京大賞典(2分0秒4)にこそ及ばないが堂々たるレースレコード。「エスポワールも来ているのは分かったが、自分の型ができていたので大丈夫と思っていた。速いペースでの逃げがこの馬の競馬。あらためて凄い馬だと感じた」。主戦は熱く語った。

 小崎師は「昨年、このレースで悔しい思い(6着)をした。今年前半は絶対このレースを獲るつもりでやってきた」と明かした。「もう完成の域かな。僕らの予想を超える規格外の馬だ」と頼もしげに語った。

 夏場は放牧に充て、今後の最大目標は来春のドバイワールドC(UAE・メイダン)に置く。秋は日本テレビ盃(9月23日、船橋)や南部杯(10月10日、東京)への出走が候補に挙がっている。「世界に行きたいパフォーマンスだった」と武豊。重賞15勝馬の次なる野望は世界制覇だ。

 ◆スマートファルコン 父ゴールドアリュール 母ケイシュウハーブ(母の父ミシシッピアン)牡6歳 栗東・小崎憲厩舎所属 馬主・大川徹氏 生産者・北海道新ひだか町の岡田スタッド 戦績29戦19勝(南関東12戦8勝)総獲得賞金7億4073万6000円。

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