【オークス】短距離王の娘はステイヤー

[ 2011年5月20日 06:00 ]

 【G1ドキュメント・19日】栗東トレセン最西端で笹田師と話す井上。先週、ヴィクトリアマイルでレディアルバローザが3着。アパパネとブエナビスタに首、首差だった。「井上さん、ウチの馬ノーマークだったでしょ」「見てくれてるんですか」と笑って繕ったが冷や汗もの。見る目のなさを再び恥じた。

 そのアルバローザはゆったり引き運動中。「無駄な動きを全くしない」と言う師。一方、今週のエリンコートは「まだ成長途上だが、やはり精神状態は安定している。前向きで性格は素直。オンとオフの切り替えができている」。昨夏に函館でデビュー。「1200メートルで連敗して距離が足りない感じで1500メートルに使うと差し切った。スロースターターなんです」と振り返る。短距離王デュランダルの娘らしからぬ面を当初から見せた。折り合い面や不利もあり2勝目は今年3月末。桜花賞は除外の憂き目だった。

 だが、桜花賞当日、阪神2000メートルの忘れな草賞を快勝。切れる脚こそないがバテずにしぶとく伸びる内容に、井上はむしろステイヤーの資質を感じた。

 担当の持ち乗り・黒田助手はこの道30年以上のベテラン。「2走前から心臓の音が良くなっている。(稽古で)乗っていても完歩が大きくなったというか、バネや蹴っぱりがいいので“あれっ”っていう時計が出ている。前走は距離を心配したけど1~2角でうまくハミが抜けていたから」。忘れな草賞勝ち→オークス制覇の94年チョウカイキャロルとイメージがダブる。

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2011年5月20日のニュース