【AJC杯】トーセンジョーダン完勝!盾獲りに名乗り

[ 2011年1月24日 06:00 ]

<中山11R・AJC杯>レースを制したトーセンジョーダン(6番)

 年明けの中山開催を締めくくる「第52回AJC杯」は、トーセンジョーダンが58キロをものともせずに、好位抜け出しの完勝で1番人気に応えた。騎乗した内田博幸騎手(40)は、昨年のダービー以来となる重賞V。春は天皇賞が目標で、G1戦線を歩む。

 人馬ともにさらなる飛躍を誓う1年。内田とトーセンジョーダンにとって、最高の滑り出しとなる完勝だった。3角までは好位5番手をキープし、徐々にポジションを上げながら4角へ。直線入り口で他馬と接触したが、ひるむことなく馬場の中央へ進路を取る。前が空いたところでエンジン全開。絶妙のペースで逃げ粘るミヤビランベリを、きっちり3/4馬身かわしたところがゴールだった。

 「このメンバーなら58キロでも負けられないと感じていた。強さを見せたいと思っていた」。引き揚げてきた内田は、自らを鼓舞するような強い口調で続けた。「逃げ馬が残るペースでも差し切れた。着差以上に強い内容。初めて乗ったときからG1に行く馬だと思っていたが、ここで負けていては、そうも言っていられない」。鞍上にとっては昨年のダービー(エイシンフラッシュ)以来の重賞V。「昨年はケガ(1月の落馬で左腕骨折)もあり、復帰後も思うように乗れない時期があった。今年は1年を通して成績を残していきたい。自分自身のモチベーションを上げるという意味でも大きな1勝になった」

 池江寿師は「4角で一瞬詰まってヒヤッとしたが、終わってみれば強い競馬だった」と笑みを浮かべながら「有馬記念(5着)では太め残りだったが、きょうは腹回りがすっきりして走れる体になっていた」と振り返った。07年セレクトセールの1歳セリで1億7850万円で落札された高額馬。裂蹄に泣かされ出世が遅れたが、ようやく軌道に乗った。「今は爪の状態も安定しているので、しっかり調教して能力を引き出すことができる」と力強い。

 目標は天皇賞・春(5月1日、京都)。内田が「器用で乗りやすい馬。掛かるところがないし距離が延びても大丈夫」と胸を張れば、師も「G1へ希望が出てくるレースぶり。日経賞(3月26日、中山)か阪神大賞典(同20日)を使って挑戦したい」と締めくくった。

 単勝1・9倍の断然人気に応えて勝つべくして勝ったジョーダン。G1ゴールに華麗なダンクシュートを決めるシーンも、遠くはないはずだ。

 ◆トーセンジョーダン 父ジャングルポケット 母エヴリウィスパー(母の父ノーザンテースト) 牡5歳 栗東・池江泰寿厩舎所属 馬主・島川隆哉氏 生産者・北海道勇払郡安平町ノーザンファーム 戦績13戦7勝 総獲得賞金2億4452万2000円。

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2011年1月24日のニュース