【総理大臣杯】若き新総理だ!山口剛が優勝
2010年は競艇界の新時代幕開けだ。平和島のSG「第45回総理大臣杯」は22日、第12Rで優勝戦が行われ、91期生の山口剛(27=広島)が2周1Mで浜野谷憲吾と岡崎恭裕を差して優勝。90期以降として初めてのSGタイトル手にするとともに、優勝賞金4000万円を獲得した。今回の優勝により、次のSG笹川賞(5月25~30日、浜名湖)の出場権利も獲得した。
歓喜のゴールインが新星誕生の瞬間だった。2周1M逆転で先頭に立った山口。「失敗してばかり」と振り返った準優とは打って変わり、残り1周半を冷静なターンでクリア。その後は1度も先頭を譲ることなく、左手で大きくガッツポーズをしながらゴールを駆け抜けた。
「2Mでは(前を走る)浜野谷さんに届かなかったけど、内から岡崎が来ていたので、直線でいい位置につけられれば(逆転の)チャンスはあると思っていた。2周1Mで差した後は、自分がミスさえしなければ大丈夫だと思った」
デビュー8年目、SG出場11回目でつかんだ初タイトル。この戴冠の陰には、貴重な教官体験がある。昨年9月に、やまと競艇学校で“地元スター候補”と呼ばれる若手12選手に実技指導。この時、一緒に教官を務めた今垣光太郎、赤岩善生らの話を聞き、自分が「競艇に本気で取り組んでいる“つもり”だったことを痛感させられた」という。「以前はレースとレースの合間に1日ダラッと過ごす日があったが、今は休む時間もないほどペラ叩きやトレーニングをしている。この総理杯は、ペラ3枚すべて仕上がった状態で来た」と山口。この努力が、2連対率28%の低調機からトップ級の舟足を引き出した。
90期以降初のSGウイナーとなった山口。今回の優勝により、初の賞金王決定戦出場も現実味を帯びてきた。「賞金王は出られたらいいなという気持ちでは出られないと思う。自分が今後、どれだけ努力して力をつけられるかに懸かっている」。力強く締めくくった山口の目にはSG制覇の喜びより、さらなる高みを目指す決意が伝わってきた。
▼岡崎恭裕(2着)ピット離れはタイミングミス。熱くなるとF切ると思い、落ち着いて臨んだが、遅すぎた…。伸び返したし、足は良かった。でも、コース取りを含め、お客さんにしかられるかな…。
▼浜野谷憲吾(3着)2周ホーム岡崎君が来たのが見えなくて…。分かっていれば差しに構えられたと思う。
▼松井 繁(4着)Sはみんなも放っていると思う。足はいい状態で臨めた。
▼今坂勝広(5着)コースが遠かったし、展開もなかった。今年始まったばかりなので次につなげたい。
▼萩原秀人(6着)準優の方が気温とかいろいろ対応できていたと思う。1Mの展開もなかった。
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