田原成貴という男

　田原容疑者は７８年に騎手デビュー。２年目に６３勝し関西リーディングジョッキー、８３、８４年には全国リーディングジョッキーに輝いた。トウカイテイオーで９３年の有馬記念、マヤノトップガンで９５年の菊花賞、有馬記念を制すなどＧ１・１５勝をはじめ、重賞６５勝、通算１１１２勝を挙げている。

　華麗な騎乗ぶりと甘いマスクから「ターフの玉三郎」と呼ばれて人気を集める一方、競馬漫画「勝算」の原作を書き、ロックバンド「烈」を結成してアルバムをリリース、ライブ活動を行うなど、型破りの騎手として知られていた。
　数々のトラブルも引き起こしており、調教師時代の００年４月には、管理馬フサイチゼノンの皐月賞回避を馬主サイドに説明しないまま報道発表、馬主は激怒して馬を転厩させた。また、０１年７月には管理馬フジヤマハクザンの耳に無断で発信機を装着し、ＪＲＡから過怠金５０万円を科せられた。