【菊花賞】アンライバルド「100%」で2冠王

[ 2009年10月23日 06:00 ]

<菊花賞>岩田康誠を背に、CWコースで気合十分に追い切るアンライバルド

 皐月賞馬が2冠奪取へ万全の態勢を整えた。牡馬クラシック最終戦「第70回菊花賞」の木曜追い切りが22日、栗東トレセンで行われた。アンライバルド(牡3=友道)が主戦・岩田康誠(35)を背に、人馬一体、抜群の折り合いを披露し“満点”の仕上がりを見せた。午後には枠順も決定。同馬は5番からのスタートと決まった。菊花賞は、午後2時から同7時までウインズ新橋、後楽園で金曜発売を行う。

 追い切り後、アンライバルドのスタッフの1人がつぶやいた。「普通に乗ってくれば勝てる。1回くらいのヘグリ(失敗)ならカバーできる。そのくらいの出来だ」
 勝利を確信させる最終追い切りは、岩田を乗せたCWコースで行われた。「1歩目から、すべてスムーズ」と友道師が表現するように人馬一体、滑らかに加速した。3角付近からは首をグッと下げ、推進力を増す。直線を向き、サッと手前(軸脚)を変えた。残り200メートルを切ったところでハミを掛け直し、右から軽く肩ムチ。皐月賞馬はしなやかに伸びきった。ラスト200メートルは12秒0。人馬の呼吸、直線の鋭さとも完ぺき。最高の仕上がりを見せつけた。
 「単走でも時計が出た。十分に気合も乗っている」。岩田は自信の表情だ。神戸新聞杯では4着に敗れたが、収穫は大きかった。スタート後、トップカミングとセイウンワンダーの間に入ってしまって馬が怒り、リズムを崩した。それでも直線でいい脚を繰り出したことで、はっきりと分かった。「この馬は折り合いだけ」(岩田)。それだけに、長めから折り合いを重視した最終追い切りで、馬がリズム良く走ったことがうれしかった。
 友道師は開口一番「100点満点。100%の仕上げ」と語った。指揮官が強調したのは、ひと夏を越しての精神的成長だ。「前走は当日の落ち着きぶりが春とは一変していた。負けても、その点は納得、満足だった」。パワーアップした馬体も自信を与える。「春は子供っぽい馬体だった。この秋は筋肉にメリハリが出た。落ち着きも出ている」と笑った。追い切り後の馬体重は480キロで、春とさほど変わらないが、馬体のメリハリは春とは比較にならない。
 枠は5番。友道師は「真ん中から外がいいかな、という気がしていたし、できれば(後入れの)偶数が欲しいとも思っていた。まあ仕方ない」と話した。ただ、折り合いに自信を深めた今なら内めの枠でも不利には働かない。むしろ流れに乗りやすいだろう。
 岩田は「この馬が一番強いという気持ちで臨む」と言い、友道師は「一番強い馬が勝つのが菊花賞。そのことを証明したい」と締めくくった。皐月賞馬は最高の自信を胸に、2冠獲りに挑む。

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2009年10月23日のニュース