【菊花賞】最後の１冠へリーチ一発回答！

＜菊花賞＞併せ馬のツルマルノホシ（左）をグイグイと引き離すリーチザクラウン

　牡馬クラシック最終戦「第７０回菊花賞」の木曜追いが２２日、栗東トレセンで行われた。春に３強の１角といわれたリーチザクラウンが武豊を背に坂路の併せ馬で楽々と先着と抜群の動きを披露。最後の１冠奪取へ向け万全の態勢を整えた。なお、同レースは午後２時から午後７時までウインズ新橋、後楽園で金曜発売を行う。

　「すごくよかった。調教も走るけど、今まで僕が乗った中で一番いい動き」
　武豊が絶賛したリーチザクラウンの最終追い切りは開門直後の坂路。ツルマルノホシ（３歳未勝利）との併せ馬だ。神戸新聞杯前の稽古と同じく、相手を前に置く形で折り合った。残り２Ｆで馬体を並べると自然に加速。鞍上が何もアクションを起こさないままで楽々と３馬身引き離した。４Ｆ５１秒７、ラストは１２秒フラット。体調の良さが見て取れる脚さばきだった。
　「普通の馬に比べると燃えやすい。折り合いに心配がないとは言わない」
　燃えすぎる気性は長距離戦で大きなマイナス材料となる。しかも舞台は２度の坂越えがある難コース。最初の下り坂で勢いがついてしまわないか。正面スタンド前の歓声に影響されないか。心配の種は尽きないものの、メンタルな部分の気配も悪くない。秋初戦の前走で落ち着いた姿は印象的だった。無理に抑えず主導権を握る形で本来の力を発揮してみせた。前哨戦を使えばテンションが上がりやすくなるものだが、その後の調教で同じ様子を保っているのが何より心強い。
　「フィジカル的にこなせないことはない。ダービーは負けたけど、いいレースだったし、京都でいいパフォーマンスを見せている。期待してます」
　潜在能力は世代トップクラスだ。アンライバルド、ブエナビスタと走った“伝説の新馬戦”に始まり、初勝利の大差勝ち、重賞制覇のきさらぎ賞。京都で高い資質を存分に披露してきた実績がある。
　春の２冠は栄冠に届かなかった。それだけに最後の１つは譲れない。橋口師が言う。
　「春は３強の一角と言われ（アンライバルド、ロジユニヴァースの）２頭は勲章を獲ったけど、ウチだけ取り残された。何とか勝ちたい」
　菊花賞４勝の鞍上に同２勝の調教師。実績コンビが送り込む逸材が意地の力走をみせる。