ミッキー先生 栄光の後に苦痛あり!?

[ 2009年10月23日 06:00 ]

 【G1ドキュメント 21日】小児科のひとコマに“ハイ、お口アーンして…”は日々の光景。苦笑いの松永幹夫師が「ほら見て」と長い舌を出してのぞきこむヤブ医者…ではなく競馬記者。「ホンマ、ただれてますやん」。舌の表面は白赤まだらになって健康状態がおもわしくないのを菱田は気の毒がった。

 「何を食べても味がしないしお酒も飲めない。胃の具合が悪くなった…というか具合が悪くなったのはG1を勝った瞬間から」
 レッドディザイアが制した秋華賞。ブエナビスタの3冠を阻止した死闘。調教師に転身して待望のG1勝利だ。調教師席最後列から見守った松永幹夫師はゴール前の攻防に興奮と歓喜。しかしそれがなぜ「直後からグタッとなって壁にもたれてた。祝福の電話にもボクが沈みがちの声だったせいかうれしくないのか?と言われた」となるのか?重圧と達成感からくる放心状態と推測できるがそれは当たっているようで当たっていない。
 実は過去にも似たことがあった。06年2月26日といえばラスト騎乗で神がかり的な出来事があった日だ。重賞の阪急杯をノーマークの騎乗馬(11番人気ブルーショットガン)で勝って、さらに現役ラスト騎乗も白星で飾りジャスト1400勝で幕を閉じた時。あの時の笑顔は青ざめた表情を隠すための作り笑いだった。「ゴール後に急に頭痛になってあの時は“神様が頭に降りてきたかも”と言ったんだよね」と振り返っている。偉業に伴った頭痛と胃痛。不思議な話だ。

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2009年10月23日のニュース