“セレクトセールOB”の産駒に注目

[ 2008年7月8日 06:00 ]

 【藤井正弘の血統トピック】来週14~16日の3日間、日本競走馬協会主催「JRHAセレクトセール2008」が、苫小牧のノーザンホースパークで開催される。第1回の98年に50億円を超える売り上げを記録し、それまで庭先取引が主流だった日本の競走馬流通システムに革命をもたらした世界最大級の競走馬市場。春の天皇賞馬アドマイヤジュピタ、ヴィクトリアマイルでG1初制覇を飾ったエイジアンウインズと、今年も同セール出身馬が広告塔的な活躍を見せており、今やセレクトセールに上場されることは、それ自体が若駒にとって一種のステータスにもなっている。

 洞爺湖サミットの関係で1週遅れの開催となった今年は、初日の1歳セリに153頭、2、3日目の当歳セリに327頭の上場が予定されている。目玉商品は何といっても3冠馬ディープインパクトの初年度産駒37頭。ちなみにディープインパクトは自身、02年の当歳セリで7000万円で落札された馬だが、今回は他にもキングカメハメハ、ゼンノロブロイ、マンハッタンカフェ、アドマイヤマックスといった競走馬として成功を収めた“セレクトセールOB”が種牡馬として二世を送り込んできた。血統トレンドの発信源としても非常に健全なマーケットであることの証明だろう。
 折しも今年はナタゴラ、サンクラシークらの活躍によって世界的に日本産血脈への注目度がアップしている。このところ下火だった海外バイヤーの参入もあるはずで、例年以上に活発な取引が展開されそうだ。(サラブレッド血統センター)

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2008年7月8日のニュース