あと一歩…ウオッカ4着/ドバイDF

[ 2008年3月30日 06:00 ]

ドバイ・デューティフリーで4着のウオッカ(左から2頭目)

 ドバイワールドC諸競走が29日(日本時間同日深夜)、ナドアルシバ競馬場で行われ、G1ドバイデューティフリー(芝1777メートル、16頭)は日本から参戦した武豊騎手(39)騎乗のウオッカ(牝4=角居)は健闘及ばず4着。安藤勝己騎手(47)騎乗のアドマイヤオーラ(牡4=松田博)は9着に敗れた。昨年のアドマイヤムーンに続く日本馬連勝はならなかった。

 おなじみの黄色い勝負服がゴールへ近づく。「日本だ、ウオッカだ」。道中外め4、5番手追走から武豊のステッキに励まされて猛然とスパートをかける。だが、あと一歩及ばない。最後は勝った南アフリカのジェイペグに突き放されて4着でゴールしたが、日本ダービー馬の存在感は示した。武豊は「ずっとハミをかけていつでも動ける態勢だった。やっぱり走るわ」と振り返った。スタンドで拳を握り締めた谷水雄三オーナーが「いいところだった。直線で一瞬夢を見た」と語れば、角居師も「力のいる馬場で世界の男馬相手によくここまで…。新たな面を見せてくれた」と健闘を称えた。
 牝馬として64年ぶりに日本ダービーを優勝する歴史的快挙を成し遂げたが、その後はアクシデント続き。昨年夏には右後肢の蹄球炎を発症して凱旋門賞挑戦を断念。復活を期したエリザベス女王杯では再び右後肢の蹄を傷めて無念の当日取り消し。有馬記念(11着)、京都記念(6着)と最近は不振を続けダービー馬の輝きを失いかけていた。それが世界の頂上決戦で復活の兆しを見せた。
 アドマイヤオーラは中団を追走し、内から外へ持ち出したが、伸び切れずインから9着。安藤勝は「世界最高峰の戦いは偶然の勝利なんてない。消耗した馬から下がっていく。そういうものだ」とレース前に語っていた。これが世界の壁なのだろうか。京都記念を制した勢いで世界に挑み、イイデケンシンとの入念な併せ馬で上々の仕上がりを見せていたが、昨年のムーンのような輝きを発揮できなかった。「海外遠征は環境になじむかどうかが肝心」と近藤利一オーナーは語っていた。調教では落ち着いているように見えたが、気持ちは整っていなかった。だが、これで戦いが終わったわけではない。挑戦を続けた先に、また栄光が待っている。

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2008年3月30日のニュース