365日 あの頃ヒット曲ランキング 11月

【1990年11月】ZUTTO/永井真理子 思わぬオファーでウラからオモテに

[ 2011年11月2日 06:00 ]

 ★90年11月ランキング★
1 愛しい人よGood Night…/B’z
2 水に挿した花/中森明菜
3 愛してるっていわない!/中山美穂
4 ZUTTO/永井真理子
5 サイレント・イヴ/辛島美登里
6 笑ってよ/光GENJI
7 Easy Come,Easy Go!/B’z
8 ROUGH DIAMOND/LINDBERG
9 恋唄綴り/堀内孝雄
10 抱きしめたい/PINK SAPPHIRE
注目Virgin Snow/ribbon
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【ZUTTO/永井真理子】

 レコード風の言葉で言えば“B面の曲”だった。“元気”がトレードマークの永井真理子の新曲はカントリー調のリズミカルなもので、そのカップリングとしてバラードの「ZUTTO」が採用される予定だった。明るく、リスナーを励ます歌が多かった永井にとってバラードは次の段階で本格的に取り組む課題で、今回は実験的にファンや音楽関係者の反応を見るために入れたものだった。

 その時、フジテレビからオファーがきた。人気バラエティ番組「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」のオープニングを是非永井真理子で、というものだった。スタッフはリリース予定の「EVERYTHING」を推した。が、番組側からの反応は「カップリングの曲を使いたい」というものだった。

 予想外の反応だったが、先方が言うのだから仕方がない。発売予定のジャケットは「EVERYTHING」をイメージした、永井が風の中をスポーツタイプの自転車で駆け抜けている写真だったが、もう差し替えはきかず、文字位置を替えるだけで、どちらが主なのかを分かってもらうようにした。

 永井のこれまでのイメージを大きく変えるバラードが受け入れられるかどうかは半信半疑だったが、高視聴率番組のテーマ曲という後押しもあって、計40万枚をセールス。シングルとしては永井真理子最大のヒット曲となった。

 全寮制で自由時間がほとんどない高校に在籍していたことが彼女が「好きな一つのことに打ち込むことの大切さ」を教えた。高校卒業後、保母を目指して日本女子体育短大に進学。そこで友人に誘われてバンドに参加。フュージョン系のバンドでボーカルを務め、解散後にデモテープを送ったことでデビューのきっかけをつかんだ。

 ショートカットでいつも前向き、元気そのものというイメージで人気を得たが、実は「とても弱虫。元気に見せていたのはそのコンプレックスの裏返しだった。自分の中にいるもう一人の自分が、プラス思考を歌にすることで弱虫な自分を支えていた」。永井は後年、インタビューでそう答えている。

 結婚、出産、歌手活動再開を経て。現在はオーストラリア在住。自主レーベルで活動を続けている。
 

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