日テレ「タツキ先生…」P語る【上】 ドラマ誕生の裏には原体験と「放課後カルテ」からの“宿題”

[ 2026年5月2日 12:00 ]

「タツキ先生は甘すぎる!」の甘すぎるスタッフを演じる町田啓太
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 放送中の日本テレビドラマ「タツキ先生は甘すぎる!」(土曜後9・00)に「心に刺さる」「気持ちが分かる」など共感の声が相次いでいる。今作の舞台は学校に通えない子供たちが過ごすフリースクール。主人公の甘すぎるスタッフ(町田啓太)は子供たちが学校に行かない選択肢を決して否定しない。ひとりひとりの心の奥底にある、親にもうまく伝えられない気持ちに寄り添う姿が反響を呼んでいる。

 この心温まるドラマはいかにして生まれたのか。今作がメインプロデューサーとして2作目となる岩崎秀紀氏(35)に聞いてみると、自身の原体験と初めて手がけた作品とのつながりがあった。

 「心の飢えを救いたい」。岩崎氏が日テレの採用面接時に放った言葉だ。その裏には「自分を認められない」と身をもって体験してきた過去があった。

 小学校時代に親の主導でサッカー部に入るも、うまくなじめなかった。次第に部活に居場所の無さを感じ、サッカーのある日に保健室へ行ったり早退するように。ただ、「行きたくない」という気持ちを親に打ち明けられずにいた。一方で兄はのびのびとサッカーをできていたことに負い目もあり、「自分はダメなんだと思っていた」と振り返った。

 そんな岩崎氏にとってテレビを見る時間は大きな“居場所”だった。そして、漠然と居場所がない人が生まれる社会を「エンタメで変えたい」と思うようになった。2014年に入社し、バラエティー制作など経験して22年からドラマの部署へ。そして、24年10月期に放送され話題作となった「放課後カルテ」で初のメインプロデューサーを務めた。

 「放課後カルテ」は小学校の保健室が舞台。学校医として常駐となった偏屈な小児科医(松下洸平)が確かな観察眼で“言葉にできないSOS”を見抜いて子供たちを導く様子を描いた。保健室がより頼れる場所として広く認知されるようになり、岩崎氏もドラマを通してメッセージを届けられた手応えを感じていた。

 だが、まだ伝えられていない部分もあった。そのことに気付いたのは「放課後カルテ」の原作者・日生マユ氏とともに依頼された講演会でのこと。「今、不登校の生徒が過去最多ですが、どう思いますか?」という質問に、自身の中に答えがなかった。「放課後カルテ」でも不登校のことを描いていたが「思いが至ってなかった」。

 「なぜ学校に行けないのか?」という疑問が頭を巡る中で、フリースクールで働いた経験がある人の「フリースクールを舞台にしたドラマってどうなんだろう」というアイデアを授かった。実際に現場を訪れ取材を進め、自身も積極的に学校へ行きたい思いはなかったことも回顧し「自分を押し殺して学校に行くことが本当に正解なのかな?」と考えるようになった。

 そうして、一人残らず包み込むようなフリースクールを描く「タツキ先生…」が誕生した。(【下】に続く)

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