5色が溶け合った、その先へ──景が見つめる「Voyage」と“1本の虹”になったSadie
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5人組ロックバンド「Sadie」には、ステージの最後方から、4人の背中と客席の無数の顔を同時に見渡す男がいる。ドラム・景。言葉数は決して多くないが、その視線はいつもバンドの“全体”を温かくとらえている。活動休止前の葛藤が刻まれた楽曲「Voyage」を、再始動した今、その位置からどう見つめているのか。約1分間の沈黙の末に絞り出された、不器用で誠実な言葉の奥にあるものとは。(ヴィジュアル系特集取材班)
【Sadie特集】 独占ソロインタビュー
「Voyage」のクライマックス。バンドの演奏が止まり、ライブ会場いっぱいに客席からの「lalala…」という大合唱が響き渡る。
その瞬間、ステージ最後方に座る景の視界には今、どんな景色が広がっているのだろうか。目の前には、頼もしいメンバー4人の背中。その向こうには、笑顔で声を重ねるファン一人ひとりの表情が見えるはずだ。
「ステージで景さんにしか見えない景色がある。その光景を見ているときってどんな感情になるんですか?」
そう尋ねた時だった。オンライン取材の画面越しに、景は少し首をひねり、苦笑いを浮かべた。そこから、長い沈黙が落ちた。
「うーん……」
10秒、20秒、時間は流れていく。器用な言葉で取り繕うことはしない。ただ、脳裏に焼き付いている“あの光景”を見つめ直し、それに最もふさわしい言葉を探し続けていた。
約1分後。ようやく絞り出すように、こう言った。
「言葉にするのは…難しいですね」
「幸せ」「大切」といった単語を探り当てようとしては、どれもしっくり来ない様子だった。そして最後に、静かに息を吐くようにこう結んだ。
「自分が大好きなものがその空間にあって、この1つのものを大切にしたいし、幸せにしたい。自分もこれによって幸せになっている。……『ありがとう』という感謝の気持ちですね」
言葉にならないほどの圧倒的な光景。それこそが、現在進行形のSadieが鳴らしている音の正体なのだ。
昨年末に発表されたセルフカバーアルバム「THE REVIVAL OF MADNESS」。そのラストを飾るのが、活動休止前最後のシングル「Voyage」だ。
2015年、休止が決まった中で作られたこの曲には、当時の痛みや切なさが剥き出しになっていた。今回再録するにあたり、技術も機材も格段に進化している中で、景はドラムのアプローチをどう変えたのか。
「フレーズは変えていません。意識して変えなかったです」
迷いのない声だった。
「その時の思いは変えたくなかったですし、思い出や悲しさも全部そのまま受け止める覚悟で、あえて何も変えませんでした」
過去の悲しみをごまかし、上書きすることは簡単だ。しかし景は「活動休止の出来事は忘れちゃいけないもの。僕らにもファンにも、すごく大事な道だったから」と語る。逃げずに過去を抱きしめる決意が、変えないという選択に表れていた。
当時の気持ちを今、どう解釈し、演奏に落とし込んだのか。景は「Voyage(航海)」というタイトルに立ち返り、ある比喩を用いて説明してくれた。
「好きな彼氏と彼女が、留学などで一旦離れる決意をしたとします。もちろん悲しいけれど、離れたことによって分からなかった愛に気づいて、復縁して愛が深まっている状態。辛かった思い出があったからこそ、より絆が深まって強くなった2人、という前向きなイメージなんです」
9年の空白は、決して無駄ではなかった。それを象徴するのが、現在のバンドの音作りに対する景の表現だ。
「昔のSadieは、5色の虹が1本あったとして、それぞれの『5色』が主張しながら1本の音になっていた。でも今は、その5色が1つに混ざり合って、より深く、1本となった音を表しているイメージです」
それぞれの色が個性をぶつけ合っていた時代を経て、今は互いの音を理解し、完全に溶け合っている。
溶け合った1本の深い虹の中心でリズムを刻む景は、雄弁には語らない。ただ目の前の観客のために叩く「Voyage」も、クライマックスで演奏を止め、鳴り響く大合唱を全身で受け止めている。
あの航海があったから、今ここにいる。言葉にできない光景を前に、景が刻む優しく力強いビートは、これからもSadieという船の揺るぎない道標だ。
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