【毎日映画コンクール】林裕太に刻まれた「年表」 「役に責任を持てるように」作った生きざま「代表作」

[ 2026年1月16日 06:00 ]

スポニチグランプリ新人賞 「愚か者の身分」

毎日映画コンクールでスポニチグランプリ新人賞に輝き笑顔を見せる林裕太(撮影・会津 智海)
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 2025年(第80回)毎日映画コンクールの各賞が15日、決定した。スポニチグランプリ新人賞には永田琴監督の「愚か者の身分」に出演した林裕太(25)が選ばれた。日本映画大賞は吉田大八監督(62)の「敵」が射止め、李相日監督(52)の「国宝」は吉沢亮(31)の主演俳優賞に加え、監督賞を含むスタッフ6部門を史上初めて完全制覇した。表彰式は2月10日、東京・めぐろパーシモンホールで行われる。

 「歴史のある賞ですし、その中に自分も名を連ねることができたのは凄く光栄で誇らしいこと。自分がやってきたことに自信を持てました」。林は声を弾ませながら、吉報を受けた瞬間を振り返った。

 「愚か者の身分」は新宿・歌舞伎町で闇ビジネスに手を染める3人の男が、裏社会から抜け出そうとする逃走劇。北村匠海(28)が主演、綾野剛(43)の出演が決まっていた段階で脚本を読み「サスペンス要素だけではない。人間の温かさ、つながりがあって、生きることを諦めない人たちの話を伝えることはとても大切」と、オーディションで“末弟”のマモル役を射止めた。

 子供の頃に虐待を受けたトラウマを抱え、感情を表に出さない複雑な役どころ。脚本を読み返し、マモルの年表を作った。「そうすると役に対して責任を持てるようになってくるんです」という。

 現場でも常に監督や共演者との対話を重視。特に支えとなったのが兄貴分のタクヤ役の北村だ。「とにかく懐が深い。投手と捕手に例えると、匠海君はどんな球でも受け止めてくれる安心感がある。僕の良さを引き出してくれるお芝居をしてくれた」と感謝した。

 ラストシーンも一人で担った。その表情は「生きることを諦めない」という強い決意が集約されたカットとなり「やり遂げられた。マモルを背負う任務は達成されたと思いました」と達成感を得た。

 今作を「代表作の一つ」と言い切る。「僕の名前も多くの人に知ってもらえた。今までは友達や両親くらいしか感想を言ってくれなかったのが、より広い範囲の方から“見たよ”“良かったよ”と言っていただき、凄く広まった実感があります」と相好を崩した。それに伴い増えたのが、大リーグ・ドジャースの山本由伸に似ているという声。「本当によく言われます。野球好きの人が僕を発見して似ているという投稿も見たことがあって、そういう形で知っていただけるのも凄くうれしい」と照れながら明かした。

 釜山国際映画祭で3人一緒に最優秀男優賞を受賞するなど、海外での経験も積んだ。イランの名匠アミール・ナデリ監督のワークショップにも参加したことがあり「日本人の所作や芝居は本当に素晴らしい。君たちの芝居の魅力を持ったまま世界に広められる俳優になってほしい」と金言を授かった。

 「自分たちの作品が日本だけでなく世界の方にも面白いと思ってもらえる可能性を十分に秘めていると思うと、そういうタイミングがあるならぜひ飛び込んでみたい」と貪欲。夢は広がるばかりだ。(鈴木 元)

 ◇林 裕太(はやし・ゆうた)2000年(平12)11月2日生まれ、東京都出身の25歳。20年に俳優デビュー。22年「間借り屋の恋」で映画初主演。その他の出演映画に23年「ロストサマー」、24年「HAPPYEND」などがある。26年度前期のNHK連続テレビ小説「風、薫る」に出演。

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