福間香奈女流6冠「第2子不可能、絶望的な気持ち」 将棋連盟の“産休ルール”見直し求め会見

[ 2025年12月11日 05:30 ]

記者会見する福間香奈女流六冠(手前から2人目)=10日午前、大阪市北区
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 出産予定日前後のタイトル戦を事実上不戦敗とする規定の見直しを求め、日本将棋連盟に要望書を送った福間香奈女流6冠(33)は10日、大阪市内で記者会見した。第1子出産後に連盟が設けた規定について「第2子を持つことは不可能。絶望的な気持ちになった」と思いを語った。

 福間は昨年12月に出産。重いつわりと胎盤に問題がある恐れがあることなどから、連盟に対局の延期などを求めていた。だが当時、連盟に妊娠や出産に関する規定はなし。白玲戦、女流王将戦の2つのタイトル戦で不戦敗となり、タイトルを獲得できなかった。

 そんな中、連盟は今年4月、女流タイトル戦について新たな規定を設けた。出産予定日の前後14週と日程が重なる対局を、事実上不戦敗とする内容。これに福間は「女流棋士の使命を全うするには妊娠をちゅうちょしてしまう」と、声を上げることを決めたという。会見には代理人の弁護士が5人同席した。

 要望書では、希望に応じ対局の日程や場所を調整したり、出産前後でも体調や医師の意見に応じて出場できるようにしたりすることの検討を希望。タイトル保持者が降格しないようにするなど、休場中の地位保証も提案している。

 連盟は10日、記者会見を受けたコメントを公式サイトで公表し「福間女流6冠に不安を抱かせた」と謝罪した。出産に伴う規定は改定案を調整中で、当事者の意思に沿う仕組みを検討。出産予定日の前後14週間という期間は労働基準法などを基準にしたという。

 今年6月、連盟会長に清水市代女流七段(56)が就任した。連盟初の女性会長だけに、将棋界の“産休ルール”の行方に注目が集まる中、この日は都内で開かれた女流王将の就位式に出席。しかし、報道陣の問いかけに対して答えることなく、足早に去って行った。

 福間は来年には女性初の棋士を目指し、プロ棋士編入試験に再挑戦する。今回の訴えによる影響は「全くございません」ときっぱり。「仕事と妊娠、出産を両立できる社会になればいいと思う。今後議論が活発化し実りあるものになることを切に希望します」と述べた。

 ≪女流タイトル戦8つ 期間が空く日程はなし≫8つの女流タイトル戦は年間通じて行われ、現在14週間の期間が空く日程はない状況。対局当日だけでなく、前日には対局会場の検分や前夜祭もあり拘束時間も長い。福間はうち6冠を保持しており、将棋ファンの間では「過密日程だ」との声がある。一方で対局は全国各地で指され、開催にあたってはスポンサーもいる。さまざまな方面への配慮が求められ、SNSでは「日程変更も厳しいのでは」「予選スケジュールの変更が必要なのでは」などの指摘もあった。

 ◇福間 香奈(ふくま・かな)1992年(平4)3月2日生まれ、島根県出身の33歳。旧姓は里見。父や兄の影響で将棋に興味を持ち、02年にアマ女王。08年11月、倉敷藤花のタイトルを獲得。10年11月、18歳7カ月で最年少女流3冠に。19年には史上初の女流6冠を達成した。異名は「出雲のイナズマ」。24年に結婚。妹の川又咲紀も女流棋士。 

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