端っこからセンターへ――アイドルカレッジ石塚汐花を動かした「世界の王」の言葉

[ 2025年10月31日 15:00 ]

【画像・写真2枚目】ここは地獄か天国かわからない――アイドルカレッジ石塚汐花、「Owen」で見つめ直した“応援”のリアル(撮影・渡邉 希奏)
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 アイドルグループ「アイドルカレッジ」の石塚汐花が、新曲「Owen」のリリースを受け、スポニチ東京本社でソロインタビューに臨んだ。かつて端のポジションから始まり、いまは再びセンターとしてステージの真ん中に立つ。新曲は、もう一度立ち上がり「努力の証明」を形にした一枚だ。その歩みの根底には、“世界の王”の言葉が息づいている。(「推し面」取材班)

【石塚汐花 連載①】ここは地獄か天国かわからない

 原点は、幼い頃のまっすぐな憧れ。「アイドルになりたい」。きっかけは、AKB48・前田敦子の総選挙スピーチだった。「私もこんなふうに人を動かせるアイドルになりたい」と思った。歌が苦手で、母と家で何度も練習を重ね、父が流す映像を見ながら振りを覚えた。家族ぐるみで夢を支え、背中を押してくれた。

 転機は、雑誌で見つけた「アイドルカレッジ」のオーディション。公式YouTubeを見た瞬間、「ここしかない」と感じた。応募までに全曲を覚え、全力で挑戦。合格後、「絶対にこのグループのセンターになる」と誓ったが、ステージに立つまでには長い時間がかかった。

 当時のシステムは、レッスン生から研究生、候補生、正規生へと昇格していく厳しい階層制。衣装も着られず、先輩たちのライブを見送る日々。それでも足を止めなかった。「全曲、全ポジションを体に叩き込む。もうできることはないと思えるまでやる」。その覚悟が、いつしか身体に刻まれた。

 努力が実り、ついにセンターへ。グループの中心で輝く存在となったが、2021年に卒業を決断する。「正直、逃げたかった部分もありました」。別のグループで活動を続ける中でも、心はいつもアイカレに向かっていた。

 「アイカレの時みたいに燃え尽きられない。そんな自分が嫌で……。そのうち気づいたんです。アイカレのことを考えている自分が一番好きだって。もう一度あの場所で頑張りたいって」

 昨冬の再加入後は、候補生からの再スタート。ファンのまなざしは“応援”から“審査”へと変わっていた。ステージの端、マイクを持てない立場。それでも前を向き、周囲を見渡し続けた。

 「端っこにいるからこそ見える景色がありました。『あ、後ろでこんな動きをしてたんだ』『ここで目が合うと、こんな気持ちになるんだ』。最初は悔しかったけど、その経験が今の表現につながっています」

 後輩から「汐花さんに憧れている」と言われることも増えたが、本人は穏やかに首を振る。

 「自分みたいにはならなくていい。不器用で遠回りばかりしてきたから。でも、その分、得たものもある。時代も環境も違うから言葉で教えてもなかなか実感できないと思う。だからこそ、背中で見せたい。例えば、疲れた姿を見せないとか、夢を追い続ける姿とか。“汐花さんみたいになっても、まだ先に行ける”って思ってもらえるように希望でありたいです」

 活動の中で支えられたのが、「世界の王」こと王貞治氏の言葉だった。

 「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるとすれば、それはまだ努力と呼べない」

 報われないと感じた夜も、この言葉が“まだ途中だ”と石塚の背中を押した。「今も何かのせいにしちゃう時はあります。そんな時、こう思うようにしているんです。もう少しできることがある。だから目標や夢に届いてないんだって」

 努力は必ず報われる。石塚汐花はその証として、今日も真ん中で光を放っている。

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