録音直前の異例の提案――DuelJewelのベーシストNatsukiが「楽しかった」と語るバンドの決断

[ 2025年10月12日 11:00 ]

【画像・写真1枚目】録音直前の異例の提案――DuelJewelのベーシストNatsukiが「楽しかった」と語るバンドの決断
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 5人組ロックバンド「DuelJewel」(デュエルジュエル)が9月に新アルバム「Eclipse」をリリースし、同作を引っ提げた全国ツアーで各地を熱狂させている。バンドのサウンドを支えるベーシストのNatsukiがスポニチ東京本社での取材に応じ、進化を止めないバンドの現在地と、自身の創作の源泉を明かした。(ヴィジュアル系特集取材班)

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「狙いとしては、ライブで盛り上がる感じを前提に作りましたね」。Natsukiは、自らが作曲を手掛けた新曲について、きっぱりと言い切った。今回のアルバム制作で向き合ったのは、自身の音楽的ルーツ。新しく手に入れたソフトウェアの中に、偶然にも“昔、自分がやりたかった音”を発見したという。その閃きが新曲「人に非」へと結実した。過去に発表した「Moon Struck」の再録でも、ライブでの高揚感をそのままパッケージングすることにこだわった。彼の指から紡がれるベースラインは、どこか懐かしくも新しい響きを宿している。

 今作の制作過程は、挑戦の連続だった。その象徴が、収録曲「Only Love」のレコーディングだ。録音直前、ドラムのばるから「曲的にキーが高すぎるんじゃないか」という、通常ではあり得ないタイミングでの指摘が飛んだ。しかし、メンバーはその提案を即座に受け入れ、急遽キーを下げて演奏を録音したという。「そういうのも楽しかったですけどね」。Natsukiはこともなげに語るが、土壇場での変更を厭わない柔軟性と、より良い作品を目指す貪欲さこそ、長年活動を共にしてきたDuelJewelの真骨頂だろう。その決断が、楽曲をよりストレートで、ボーカルのニュアンスがより際立つものに昇華させた。

 音源は完成形ではない。ライブという“生”の空間でさらなる進化を遂げる。「CDに収録されているフレーズを、あえてそのときの気分で変えちゃうんです」。その日の感情、会場の熱気、すべてが指先を動かす。それは、ファンとの静かな対話でもある。「今日の音、違いましたね」。ライブ後、そう声をかけてくれるコアなファンがいるという。 「ある程度の自己満足の世界ではあるんですけど」と謙遜するが、その表情はどこか誇らしげだ。

 ツアーは続く。Natsukiのベースが次にどんな音を奏でるのか、その一期一会の瞬間を目撃するために、ファンはまたライブハウスへ足を運ぶ。

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