弦哲也氏 音楽生活60周年「晴れの日も雨の日も両方あるのが人生」 記念曲が20日に発売

[ 2025年8月23日 05:00 ]

音楽生活を振り返る弦哲也
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 作曲家・弦哲也氏(77)の音楽生活60周年記念曲が20日に発売された。「小樽北運河」「今帰仁(なきじん)」「涙みたいな雨が降る」の3曲を、哀愁を帯びた独特の歌声で披露している。「小樽…」と「今帰仁」の2曲は自ら作曲、「涙みたいな…」は長男で音楽プロデューサー・田村武也氏(54)が作詞、作曲した。3曲とも雨がモチーフになっており、決して晴天ばかりでなく悪路もじっくりと歩んできた思いも込められている。

 祖母に買ってもらったギター一本を抱えて、14歳で千葉・銚子から上京。「田村進二」として17歳で歌手デビューした。20歳の時「弦哲也」に改名してもヒットに恵まれず、土砂降りの歌手人生が続いた。23歳で結婚し、翌年、長男が誕生しても生活は厳しく、生後4カ月の我が子を銚子の両親に預けて共働きの日々。面識もなかった北島三郎(88)から「一緒に旅をしよう」と迎え入れられ、ギターの弾き語りコーナーを担当した。移動の最中「歌い手の夢もあるだろうが、嫁さんを食わせなければならない。作曲という道もある」と作曲家転身の背中を押された。将棋の内藤国雄九段に書いた「おゆき」がミリオンセラーを記録。5歳になっていた息子を呼び戻し、親子3人の生活を始めた。やはり苦労していた川中美幸(69)に書いた「ふたり酒」のヒットで風呂付きのアパートに引っ越した。田村家では「ふたり酒」を「お風呂の歌」と感謝する。

 その後、五木ひろし「人生かくれんぼ」、石川さゆり「天城越え」、石原裕次郎「北の旅人」、都はるみ「小樽運河」などヒットを連発。作詞家たかたかし氏(90)との「たか・弦コンビ」は「幸せ演歌」の大家とされ、平成の大御所作曲家となった。「売れない歌手と作曲家という2つの道を歩むことができた。晴れの日も雨の日も両方あるのが人生。すべて出会った方々との縁のおかげ」と60年を総括する。記念の新曲の舞台になった小樽は「(石原)裕次郎さんも(都)はるみさんも縁があり、息子も家族旅行などで思い入れのある場所。霧雨の中を歩いていると、2人の声が聞こえてきそうな恋物語が上がってきた」と説明。「ライフワークとしている島の歌、息子が書いてくれた人生のフォークソングも今の私」と記念作に自信を見せる。これまで3000曲以上を世に送ってきた職人は「大人の目線だけどチャレンジを忘れず、心を揺さぶるような歌を書きたい」と意欲に満ちている。 (元尾 哲也)

 ◇弦 哲也(げん・てつや)本名田村正稔。1947年(昭22)9月25日生まれ、千葉県銚子市出身の77歳。65年8月、田村進二として東芝レコードから「好き好き君が好き」で歌手デビュー。68年、弦哲也と改名。76年、内藤国雄に書いた「おゆき」で作曲家デビューし大ヒット。その後、作曲活動に専念し数々のヒットを輩出。2017年、第8代日本作曲家協会会長、22年、日本音楽著作権協会(JASRAC)会長に就任。

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