「私じゃなくてもいい」と思った日々──「タイトル未定」冨樫優花、“やり直せる”と信じたアイドルの現在地

[ 2025年7月22日 15:00 ]

【画像・写真2枚目】「馴れるなよ、僕を塗り替えてゆけ」──冨樫優花、新生「タイトル未定」と誓う未完成なままの挑戦(撮影・山下彩耶)
Photo By スポニチ

 北海道発の5人組アイドルグループ「タイトル未定」の冨樫優花が新曲「空」のリリースを経て、東京・渋谷でソロインタビューに応じた。夢に追いつこうともがいた過去と、それでも歌い続ける現在地。未完成のまま立ち止まりながら、それでも歩みを止めなかった理由が、静かに語られた。(「推し面」取材班)

【冨樫優花 連載①】「馴れるなよ、僕を塗り替えてゆけ」

 生まれ育ったのは北海道。幼い頃からテレビの中の世界に憧れ、オーディションをいくつも受けた。歌やダンスで自分を表現することが大好き。でも人前で話すのは苦手。学校では同級生と目を合わせることさえ避けていた時期もあった。家に帰ってきて部屋でひとり、AKB48やハロー!プロジェクトの動画を流した。振りを真似る時間こそが、その頃の“ステージ”だった。

 「夢に向かっている時間が、自分にとっての生きがいでした」

 高校卒業後、札幌の専門学校に進学。「アイドルは高校生まで」と思い込み、東京で役者を目指そうと方向転換した。しかし、のちに「タイトル未定」のプロデューサーとなる松井広大氏と出会ったことで、しまい込んでいた夢を呼び起こした。

 ようやくつかんだアイドル人生。グループの初期に発表された曲は、冨樫の内面を歌にしてくれているように感じた。素敵に思う反面、ステージの裏では苦しさとも向き合っていた。

 「しばらくは感情移入しないと曲に入り込めませんでした。ライブが週に何度もある中で、入り込みすぎて、辛くなっちゃうような瞬間が多かったです」

 次第に何のために歌っているのかわからなくなっていった。「ずっと何年も乗り越えられなくて、葛藤を抱えたまま活動していました」。辞めたいと思ったことは、一度や二度ではない。でも今振り返ると、自分で大きな決断だったと思うことがある。

「タイトル未定を“続ける”と決めたことです」

 きっかけの1つは曲との向き合い方。 「うまく言葉にできないんですけど……ある時、曲の方向性にいつもと違う変化を感じて。それが“進化している”って思えた瞬間があったんです」。一度言葉を止め、しばらく考えるようにしてから続けた。

 「自分の内面を歌う曲が、だんだんと“誰かのために届ける”という外向きの内容へと変わっていって。ずっと“自分らしさ”を基準に歌ってきたので、私じゃなくてもいいんじゃないかって悩んだこともありました。でも、グループも表現も前に進むものだから。その変化を進化と受け入れられるようになって、“ここにいていいんだ”って思えるようになりました」

 最初に「辞めたい」と漏らしたとき、仲間の存在も支えになった。メンバーの阿部葉菜は「あと1年だけ一緒に頑張ってみよう」と励ましてくれた。松井プロデューサーも、「みんなで頑張ろう」と背中を押してくれた。

 アイドル活動をする上で、大切にしている言葉がある。

 「人は何度でもやり直せる」

 専門学校時代の恩師に繰り返しかけられたひと言だ。劣等感に押しつぶされそうになったときも、失敗してくじけそうになったときも、その言葉が冨樫を立ち上がらせる。「またゼロからやればいい」と。

 立ち止まってもいい。完璧じゃなくても誰かに届く想いがある限り、何度でも始められる。その一心で、「タイトル未定の歌姫」はきょうもマイクを握っている。

続きを表示

この記事のフォト

「タイトル未定特集|全員独占ソロインタビューで「知られざる素顔」に迫る|限定動画&メンバー撮り下ろし写真」特集記事

「美脚」特集記事

芸能の2025年7月22日のニュース