ファンキー加藤 ライブの魔力で理想の自分に “熱血漢”の素顔は「インドアでネガティブ」

[ 2024年9月15日 05:00 ]

熱い表情を見せるファンキー加藤(撮影・松永 柊斗)
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 【俺の顔】ファンキー加藤(45)は2004年に地元の東京・八王子でロックバンド「FUNKY MONKEY BABYS」を結成してから20年、前向きなメッセージソングと熱いライブパフォーマンスでファンを勇気づけてきた。しかし、その素顔は「インドアでネガティブ」と明かす。一体、どのようにして気持ちを奮い立たせ、熱血漢を演じているのだろうか。(高原 俊太)

 自然光だけが差し込む日当たりの良いスタジオで顔をアップで撮影していると「恥ずかしいな…」と漏らした。ソロデビューから10年、バンド結成から20年。多くの人の背中を押す応援歌を歌ってきた自身の顔つきに変化があった。

 「ファンモンとして活動していた30代前半まではとにかく怖いもの知らずでどんどんいっていた。でも今はいろいろ経験してきて、あの時より(表情が)柔らかくなっていると思います」

 06年のメジャーデビュー時から変わっていない髪形と顎ひげ。まなざしは以前よりも優しく、包み込むような温かさを感じた。

 自身の顔の好きなところを聞くと「好きじゃないんですよ」と苦笑いし「モテないからね」と笑う。「中学生までは顔じゃなくて、足の速さというか生物学的にモテていた。でも高校生になってモテなくなってからモテるために歌を始めました」と、音楽の道を志した動機を正直に明かした。

 バンドは09年から4年連続でNHK紅白歌合戦に出場するなど、全国区の人気となった。ソロ活動も順調そのものだが「インタビューとかプライベートの時の顔が好きじゃないんですよ」と吐露する。本当の「素顔」が表れてしまうからだといい「普段はネガティブというか物事をマイナスに捉えちゃうし、人と触れ合うのが凄い苦手」。プライベートではこうした一面が表情に出ることが多いという。

 楽曲制作時も同じ。歌詞を書いている時は「“なんか奇麗事だな”とか“こんなに人生うまくいくのかな”なんて思ってるんですよ」と、その前向きなメッセージからは想像もつかない心理状態になっている。

 ただ、ステージに立っている時は「良い顔をしているな」と好きになれる瞬間だ。「ライブの魔力で理想の自分になれているなと思います。目の前にいるお客さんが真っすぐな瞳で聴いてくれることによって、疑っていた自作詞も本当のこととしてうそ偽りなく歌うことができるんです」。気持ちを奮い立たせてくれるのはライブで対峙(たいじ)する観客だ。

 それだけにライブができない新型コロナ下はつらかった。「心にポカンと穴があいちゃった」。有観客のライブができるようになって理想の自分を取り戻すことができた。14日に開幕したソロデビュー10周年記念ツアーで全国のファンと向き合えることに「楽しみなんですよね」と目を輝かせた。

 バンドは13年にいったん区切りをつけたが、ソロとして自らに終わりを設けることはない。桑田佳祐(68)、布袋寅泰(62)、甲本ヒロト(61)に憧れており「僕の大好きな先輩方は今も第一線で歌い続けられている。その姿を見ると老け込むわけにはいかないし、ネガティブな俺が言うなって感じですけど、可能性は制限しちゃいけない」。尊敬するアーティストと、力をくれるファンの顔を思い浮かべながら、ファンキー加藤であり続ける覚悟をのぞかせた。

 ≪会場は全てライブハウス「生身のぶつかり合い」を≫加藤はソロデビュー10周年記念ツアーで全国10都市を巡り、千秋楽は誕生日の12月18日に東京・恵比寿のリキッドルームで開催する。会場は全てライブハウスで「ホールやアリーナと違って生身のぶつかり合いがあってヒリヒリするような感じがあって好き」と目を輝かせる。ライブハウスならではの観客との近い距離感が魅力だといい「目の前で見ているからこそ、だましがきかないというか、しっかりと届けられる」と語った。

 ◇ファンキー加藤(ふぁんきーかとう、本名加藤俊介=かとう・しゅんすけ)1978年(昭53)12月18日生まれ、東京都出身の45歳。04年1月に「FUNKY MONKEY BABYS」を結成。13年6月に解散し、14年2月にソロデビュー。21年3月には同バンドを復活させ、グループ名を「FUNKY MONKEY BΛBY’S」に変更。今年7月にソロデビュー10周年記念の初のベスト盤「My BEST」を発売。1メートル74。血液型A。

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