【悼む】「あいつは私が育てた」口癖のキダ・タローさん 本当に縁のあった売れっ子のことは語らなかった

[ 2024年5月17日 05:15 ]

作曲家キダ・タローさん死去

08年、くいだおれ次郎とがっちり握手するキダ・タロー氏
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 キダさんといえば、16年前の水谷豊さんとの熱い抱擁を思い出す。2008年、水谷さんは映画「相棒―劇場版―」のキャンペーンで来阪。ABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」に出演した。その日、私は一日中、水谷さんに付いていた。

 収録が終わり、楽屋に戻る途中、水谷さんが「おぉ!」と声を上げ、廊下の隅に走り出した。そこには穏やかな笑みを浮かべるキダさんがいた。2本目の番組収録を待っていたようだ。抱擁の後「お久しぶりです」と何度もキダさんの手を握る水谷さんは本当にうれしそうだった。

 まったくテイストの違うこの2人、どんな関係があるのだ?楽屋に戻り、水谷さんに映画のことより、まずキダさんのことを聞いた。「僕が不遇な時代、ずっと応援、励ましてくださったんです」と答えが返ってきた。水谷さんの俳優の先輩で、キダさんの大学の同級生だった藤岡琢也さんが2人をつなげたそうだ。

 この狭い廊下での出来事以降も、キダさんが水谷さんのことを話す場面を見たことがない。売れっ子芸能人に対して「あいつは私が育てた」というのがキダさんの持ちネタだった。しかし、本当に縁のあった売れっ子のことは語らなかった。その奥ゆかしさが、あの品のいい笑顔に表れている。合掌。  (スポニチ取締役 大阪本社代表・樋口徹)

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