人生とは歌うこと 90歳菅原洋一 健康の秘訣は「歌うことしか考えていない」

[ 2023年9月15日 05:00 ]

元気の源である自分の音源を聴きながら発声をする菅原洋一(撮影・大城 有生希)

 著名人に健康や元気の秘訣(ひけつ)を語ってもらう企画「だから元気!」。今回は「知りたくないの」などのヒット曲で知られ、NHK紅白歌合戦に通算22回出場した歌手の菅原洋一さん(90)です。生涯現役を掲げ、卒寿となった今も精力的にコンサートを開催。年齢を感じさせない健康の源は歌うことにありました。(構成・前田 拓磨)

 歌うことが生きること、生きることは歌うこと。歌い続けることで僕は生きながらえています。元気の秘訣として思い当たるのは歌い続けたことです。歌うことでストレスが発散されて、血行も良くなって、長生きできているんじゃないでしょうか。

 声っていうのは声帯の響きで音が出るわけでしょ。若い頃は自然に良い声が出たけど、重ねると声帯の筋肉が衰えて声が出にくくなった。それで困った時に考えたんです。声帯は、例えるならリード楽器(クラリネットなどを演奏する時に振動させる薄片)。だから空気の当て方次第ということに気づいて、そうすると歌い方も違ってきましたね。歌を語るような力の出し方。腹式呼吸でしばらく止めて、ゆっくり出す。ゆっくり出すというのが重要。息を吸ってすぐふわっと出して歌えないじゃないですか。ためるということがやっぱり大事だね。

 あとは口の開け方。人目を気にしながらですけれど、家の中やウオーキング中に「う、お、あ、え、い」と口に出すのを、繰り返しています。それと、いつも自分のショーがない時、自分のCDとかの音源をずっと聴いています。歌う研究ですね。今日もリハーサルの音源をずっと聴いていました。歌うことしか考えていないです。歌以外の健康習慣は続かないですね。

 小学校の時に腎臓、心臓と大きな病気をしましてね。長期療養で学校も休んで長生きできると思っていなかった。なんでここまで長生きできたかというと無理をしなかったからでしょうね。楽しい気持ちを保つように、気楽に生きるようにしています。

 歌以外だと食事は肉を好んで食べます。愛称で「ハンバーグ」と言われたのは肉をよく食べたせい。食習慣の流れです(笑い)。過ぎたるはなお及ばざるがごとしということで、食べすぎないようにしながら好んで食べています。ここでも無理はしない。お酒も昔はたくさん飲んだけど、今はほとんど飲みません。体に負担がかかるから。もう一つは怒らないのと人を褒めること。褒められて悪い気はしないもんね。だって僕は褒められたから歌い手になった。

 生きるということは人生の修業。だから死ぬということは「もう修業が終わったよ」と、そういうふうに僕は考えています。だからまだ修業が足りないということで、歌わされて生きているんですよね。紅白とかには今は興味がないね。聴いてもらう人に喜んでもらえることがうれしい。僕から歌を取ったら何もないただの人になってしまう。歌うことに生かされています。だからありがたいなという気持ちを忘れずにこれからも、生きていきたいと思います。

 ≪「呼ばれる限り」まだまだ現役≫今年90歳を迎えた菅原の歌への情熱は衰えない。8月にはニューアルバム「ピアノと唄う愛の詩2」を発売した。90歳の誕生日である同月21日にはバースデーディナーショーを開催し、多くの報道陣が駆けつけた。10月13日には東京都台東区の東京文化会館で「菅原洋一 秋のコンサート2023 ~90歳の私からあなたへ~」を開催する。「まだ呼ばれる限りは歌いたい」と語る菅原が観客に歌を届け続ける。

 ◇菅原 洋一(すがわら・よういち)1933年(昭8)8月21日生まれ、兵庫県出身の90歳。58年タンゴ歌手としてデビュー。67年に「知りたくないの」がヒットしNHK紅白歌合戦に初出場。以降22年連続で出場する。70年に「今日でお別れ」で日本レコード大賞を受賞。18年デビュー60年を迎え、日本レコード大賞企画賞を受賞する。19年に文化庁長官表彰。

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