安倍元首相の警護 元警視総監「明らかに失敗だった」 背後からの容疑者接近は「不審そのもの」

[ 2022年7月9日 20:07 ]

 元警視総監で警視庁公安部長などを警備、公安の要職を歴任した米村敏朗氏が9日、NHK「NHKニュース7」(後7・00)に生出演し、8日に安倍晋三元首相が奈良市内で銃撃され、死亡した際の警護体制について厳しい見解を示した。

 奈良県警はこの日、会見を開き、鬼塚友章本部長は「警護警備に関する問題があったことは否定できない」と述べた。米村氏は「我々の世界は100点か0点の世界。そういう意味では、厳しいようですけれど、明らかに失敗だった」と、厳しい言葉を並べた。

 逮捕された元海上自衛隊員の無職山上徹也容疑者は、安倍元首相の背後から近づき、数メートルの至近距離から銃撃した。米村氏は「不審者がいれば未然に確保することは大事なこと」とし、「ここで言う背後からの接近、この状態というのは不審そのものじゃないですか?なぜそこで動かなかったのか、ということが大きなポイントだと思います」と指摘した。

 安倍元首相の警護には、警視庁からも警護官(SP)が帯同していた。米村氏は「特にSP、これは警視庁からのSPですが、彼はなぜ警視庁から行っているかというと、警護対象者とSPって重要なことは信頼関係なんです」と解説。「信頼関係があってこそ身をていして守るという仲ですから、厳しい言い方ですけれど、検証した時に、銃声を聞いた時に安倍元総理を倒してでも地面に押さえて、自分が守るということができなかったのか。十分に見るべきだろうと思います」と話した。

 SPは「コロコロ代わっていいものではない」とし、「その上で、地元の警察と外周ををどう警戒するか。そこでワンチームになる必要がある」と指摘。「そこを含めて現場で想像と準備、一人一人の役割をしっかり確認しておくのが基本中の基本。そこを含めて十分に検証する必要があるんじゃないか」と語った。

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2022年7月9日のニュース