“スケオタ”大黒摩季エール 羽生くん、もっともっと熱くなれ フリーで奇跡祈る

[ 2022年2月9日 05:30 ]

大黒摩季は羽生から贈られた直筆メッセージとサイン入りの自叙伝「蒼い炎2」を開き笑顔
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 北京五輪でフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)が行われた8日、小学生時代からのフィギュア愛好家“スケオタ”を自任する歌手の大黒摩季(52)がテレビ観戦し声援を送った。五輪3連覇に挑む羽生結弦(27)とは2017年のアイスショーで共演して以来、交流があり「こだわっている4回転半をやりとげてほしい」と、10日のフリーでの奇跡を祈った。

 画面を通じ「最大限の祈りとありったけのFORCEを送った」という大黒だが、羽生はリンクの穴につかまりまさかの8位と出遅れ。しかし「“そんなトラブルさえもよくあること、フリーで挽回!”という感じで動じていない。なんて凄いのだろう」と感心しきりだ。

 大黒のフィギュア愛は筋金入り。出身の北海道では体育の授業にスケートの科目があったが「前に進むつもりが後ろに行ったり、全然、競技に向いてなかった」という。選手への尊敬と、きれいなものを好む性格から応援にのめり込み、伊藤みどりらの活躍に胸を躍らせた。

 スケオタ化の契機は98年の長野五輪女子銀メダルのミシェル・クワン。「クワンのスパイラル(片足を腰より上に上げた姿勢で滑ること)が本当に凄いと思った」。羽生にもジュニアに上がった08年から熱視線。「ポール・マッカートニーみたいな髪形だった。スパイラルが女子みたいにきれいなのが印象的で“この子は絶対いく”と思ってずっと見ていた」と話す。

 初めて羽生と会ったのは、2017年に千葉・幕張メッセで行われた「ファンタジー・オン・アイス」。当時を振り返り「羽生くんが私を見つけた第一声が“本物だ!”だった」と笑う。羽生が大黒の代表曲「ら・ら・ら」に乗せ、滑走する機会も。「リハーサルでも全力で手を振ってくれたり、目が合うと“うふっ”って感じの顔をしてくれる。これだけファン層が広いゆえん。キュートなんですよ。汚れ知らず、ピュア」と人間性にもほれ込んだ。

 初日にメッセージを書き込んだ自身のCDを贈ったところ、羽生から後日、自叙伝「蒼い炎2」が送られてきた。表紙を開くと、サインより大きい面積を占めた直筆メッセージが書かれていた。

 「リハから毎日素晴らしい歌声を聴くことができ、本当に幸せでした。そして、フィナーレで“ら・ら・ら”で滑ることもまた幸せでした!」

 18年には五輪連覇を達成することになる大スターの心のこもった贈り物に「その日一日大号泣しました」。以降、互いの公演に花を贈り合うなど交流が続いているが「友人なんておこがましい。親戚のおばちゃんのように見守らせてもらっている」と目を細める。

 「羽生くんにとって今回の五輪は、自分の限界に挑む大会」とみている。「いちかばちかの4回転半を入れなければ安全に戦える。でもどうしても跳びたいとこだわってきた姿を見てきた。頑張ってやりとげてほしい」とエール。奇跡の巻き返しへ「全ての神仏に祈るくらいの感じで応援したい」と話した。

 《「芸術性と競技性のハイブリッド」鍵山を絶賛》「男子フィギュアは潤ってる。タケノコがいっぱい生えてきてる」と表現する大黒。SP2位の新星・鍵山優真について「あの子は(滑りが)きれい。4回転のスピードも凄く速い。フィギュアには芸術性と競技性があるけど、そのハイブリッド」と絶賛する。同3位の宇野昌磨には「音楽的にもリズムをちゃんとキャッチしながら滑っていて、ジャンプの美しさは羽生くんの背中を見続けてきた影響を感じる」と賛辞を惜しまず。「1位のネーサン・チェンが絶好調なだけで2人とも凄い。自分でも見たことのない境地を見てほしい。もっともっと熱くなれ!」と期待を込めた。

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