「鬼滅の刃」18日発売「ジャンプ」で最終回!“聖地”は3密対策で訪問受け入れ

[ 2020年5月18日 06:00 ]

漫画「鬼滅の刃」の聖地となっている福岡県太宰府市の宝満宮竈門神社
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 単行本の累計発行部数が6000万部を突破した大ヒット漫画「鬼滅の刃」が、18日発売の週刊少年ジャンプ(集英社)で最終回を迎えた。人気絶頂の中での完結により、ブームが過熱するのは必至。ファンによる“聖地巡礼”が予想される神社は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、「3密」対策を練って訪問を受け入れる構えだ。

 全国の書店で単行本の売り切れが続出するなど、社会現象と化す中で幕を閉じた鬼滅。その聖地の一つが、福岡県太宰府市の宝満宮竈門(ほうまんぐうかまど)神社。権禰宜(ごんねぎ)馬場宣行さん(42)によると「昨年11月頃から人が増え、以前の倍以上の人が来る」という。

 神社は、主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)の姓と同じ名前。さらに作者・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんが過去に「福岡出身」と公表したため、ファンの間で「作品のルーツではないか」と言われる。

 大宰府政庁の鬼門封じで建てられた経緯も、作品テーマの「鬼退治」に重なる。背後にそびえる宝満山は修験道の聖地。修験者が着る市松模様の装束は炭治郎の羽織と同じだ。

 昨春のアニメ化を機に火が付いた同作は、累計350万部ほどだった単行本発行部数が今年2月には4000万部まで増加。今月13日には最新の20巻を求めて、各地の書店で行列ができた。人気の背景には、新型コロナの感染拡大による巣ごもり需要の高まりも指摘される。出版関係者は「子供が読み、在宅時間が増えた両親も読むなど家族で楽しむ例も多いようだ」と話しており、最近では珍しい全世代向けコンテンツとなっている。

 竈門神社の境内にはファンが描いた登場人物入りの絵馬がズラリ。「滅コロナ」「さよならコロナ」など、ウイルス退散を願って書き込まれたものも多い。

 神社側は感染防止のため、手水(ちょうず)所を閉鎖して各所にアルコール消毒スプレーを置き、ソーシャルディスタンス(社会的距離)確保の依頼文を掲示。屋内施設の換気は徹底している。馬場さんは「まだまだ注意が必要な時期だが、この神社を楽しんでもらえるなら、気持ちよく安全に参拝してほしい」と話している。

 ≪相乗効果期待≫特定警戒都道府県に指定された福岡県は14日、緊急事態宣言の対象を外れた。休業要請で大打撃を受けた市民も“聖地巡礼”に、経済回復の願いを込める。市内には元号「令和」ゆかりの地・坂本八幡宮もあるが、感染拡大などで元号発表後のにぎわいはない。市観光協会の大薮勝一事務局長(67)は「竈門神社に来た人が、坂本八幡宮、太宰府天満宮、そして市内を巡ってくれれば」と鬼滅効果を期待した。

 ▽鬼滅の刃(きめつのやいば) 2016年2月に連載開始。大正時代が舞台のダークファンタジー。鬼に家族を殺され、妹を鬼にされた炭治郎は、妹を人間に戻すために鬼の親玉・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)を捜す旅に出る。最近は連載終了の噂が、雑誌やネットニュースでも取り上げられていた。作者の吾峠呼世晴さんは14年デビューで、今作が初連載の新人。謎に包まれた作家で性別も非公表だが、女性といわれている。 

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