カトパン マカロン王子・樋口黎に迫る!最強の敵は“刃物野菜”!?

[ 2016年11月29日 11:45 ]

加藤綾子と対談する樋口黎(左)
Photo By スポニチ

 カトパンの愛称で親しまれているフリーアナウンサー加藤綾子(31)が2020年東京五輪で活躍が期待される若きオリンピアンの原石たちに迫る新企画「東京五輪 伝説の胎動」。第2回はリオ五輪レスリング男子フリースタイル57キロ級の銀メダリスト、樋口黎(20)。甘いマスクとスイーツ好きで「マカロン王子」と呼ばれているが、極度の野菜嫌いの「偏食王」。最強の敵という“刃物野菜”って何だ!?

 ――初めての五輪。凄い勢いで強敵を倒していきましたね。

 「階級変更で55キロと60キロの両方から57キロ級に集まってきて。世界チャンピオンが5選手ほど集まってきた凄いレベルの中、銀メダルを獲れてよかったです」

 ――決勝で最後にチャレンジ(ビデオ判定要求)しましたが?

 「相手に注意が何回も入っているのに僕にポイントが入らなかった。でも、そうやって審判任せになった時点で僕の負けでした」

 ――自分に厳しいですね。

 「いや、結構あまちゃんです。練習はわりとしっかりやるんですけど私生活でだらけたり、甘い物に妥協したり…」

 ――甘い物はやめられない?

 「食べないとやっていけない」

 ――試合前は?

 「そこは我慢しました。栄養士さんとか全日本のコーチから厳しく言われていて、毎回食事の写真を送ってチェックされていたんで、さすがに食べられなかったです」

 ――疑われるほどの甘党って(笑い)

 「写真送るたびに怒られて。野菜入ってないとか、野菜残してるとか」

 ――子供みたい(笑い)。野菜は嫌い?

 「野菜全般ダメです。例えばしいたけ。味はもちろん、舌触りも。菌類ですよ。菌を食べるんですよ」

 ――そ、そんな(笑い)

 「おそらく食物繊維がダメなんだと」

 ――試合で戦う以前に、食事の時点で難敵ぞろいですね。

 「はい。試合に勝つためだと思って、リオ五輪前は野菜も頑張って食べました。当然、東京五輪は野菜をしっかり食べて金メダルを狙います」

 ――頼もしい!

 「野菜を食べる量が少なかったから銀メダルだったと思います。あとはマカロンの食べ過ぎ」

 ――そこですか!(笑い)。マカロンとの出合いは?

 「中学生の時。親に内緒で近くのイオン1階のスタバへ行って食べました。これがマカロンか!と。あの時の感動は今も忘れません」

 ――どこのマカロンが一番好き?

 「今はラデュレか、ピエール・エルメです」

 ――よどみなくその名が出てくるって(笑い)。ごはんよりもマカロン?

 「そもそも、ごはん好きじゃないんで」

 ――エッ!?それでよく体を維持できますね。

 「あんまりいい体してないんです」

 ――逆三角形の凄い体じゃないですか。

 「脂肪が多くて(笑い)」

 ――でも五輪銀メダリストですよ。

 「なんで獲れたんでしょう(笑い)。僕、球技とかも苦手で。バスケはシュート入らないから誰もパスくれないし。50メートル走は9秒近いですから」

 ――エーッ!!私でも勝てるかも(笑い)。五輪後たくさんのマカロンが贈られたそうで。

 「200個くらいは食べました。ピエール・エルメ・パリさんからも届いていて。箱の中に銀箔(ぱく)のマカロンがいっぱいあって樋口の“H”の形になっていたんです。4年後は“金箔のマカロン”を送ってもらえるよう頑張ります」

 ――小さい頃から甘い物が大好き?

 「はい。地元の和菓子屋さんの桜餅が大好きでした。桜餅はそんなに高くないけど、マカロンとの出合いにより中学生の僕は財政危機に…」

 ――それがリオ五輪後はマカロンが向こうから来るようになって!

 「中学時代の僕に贈ってあげたいです」

 ――体操の金メダリスト内村航平選手も偏食ぶりで有名ですが。

 「ホントに肉とかだけで。でも、内村選手でさえも五輪前は栄養士さんと相談して野菜とかも食べていらっしゃったので、世界の一流選手でも気を付けている姿を見て、自分もやらなきゃと反省しました」

 ――リラックスする時間は?

 「音楽、映画とか、インドア派なので部屋にこもってゲームしていたりとか多いですね」

 ――デートものんびりインドア?

 「おうちが多いです。計画性がないので自分からどこへ行こうっていうのは…」

 ――引っ張ってくれる彼女の方がいい?

 「アクティブな人の方が。そうじゃないと、ずっと家でゲームに(笑い)」

 ――どういう女性がタイプ?

 「スポーツやっている子ですかね。キャピキャピしてない感じの」

 ――うん、素敵ですね。

 「実は凄いタイプの子がいまして。水球部の子で。朝練で一緒になる時があって。その子がいるとウエートの時、頑張れるんですよ。その子は僕のことなんか全然見てないんですけど今日も可愛いなあと思うと凄く頑張れる」

 ――凄くいいです。分かります。

 「そうじゃないと朝からモチベーション上がらないですよ(笑い)。ちょっと加藤ローサさんっぽい、タヌキ顔というか…」

 ――目が大きくて可愛らしい垂れ目な感じの?

 「そうなんです!なんとか友達になりたいんですけど。まだしゃべったこともないんで」

 ――リオで銀メダル獲りましたからね!

 「いや、それはダメです。ちゃんと人間性で仲良くなりたいです」

 ――確かに銀メダルぶら下げて朝練に現れるのもね(笑い)。同じ日体大には体操の白井健三選手がいますが?

 「白井くんはインタビューにもいつもしっかり答えていて凄いです。それなのに僕は、マカロン食べたいとか、水球部の子が可愛いとか…」

 ――いやいや、親近感があって素敵です(笑い)。

 「実は白井くんは(人気ゲームアプリの)ツムツムが凄くて。3000万点とか点数の桁が1人だけ違うんです。負けず嫌いの僕は“打倒白井”で全力でツムツムやってます」

 ――日体大の練習はきついですか?

 「きついですね。こんなにやるかってくらい。でも、野菜食べるのに比べたら全然。僕はレスリングが好きなので」

 ――そんなに野菜食べるのキツイですか!いつか野菜も習慣になったらいいですね。

 「それが最近、きゅうりは食べられるようになったんです。90%水分だからだと思います」

 ――きゅうり!?素晴らしいです(笑い)。葉物野菜も食べやすいかと。

 「ハモノ?」

 ――ホウレン草とか葉っぱの。

 「あぁ~そっちですね。カッターみたいな感じの野菜かと」

 ――刃物野菜(笑い)。もはや凶器ですね。

 「葉っぱは強敵ですよ。鍋の白菜ならクセがなくていけるんですが…」

 ――豆類は?

 「ダメですね。給食にひじきと一緒に出てくるのとか」

 ――甘い黒豆も?

 「誤解されてるようですが、甘けりゃ何でもいいのかと思われるのは心外です。マカロンでもただ砂糖の味がしてるだけじゃダメなんです」

 ――正直、甘けりゃいいのかなって(笑い)。

 「甘い中にも上品さと醸し出すフレーバーに調和がとれている。それでこそのマカロンなんです」

 ――小豆は?

 「こしあんじゃないと。粒あんはマメマメ感がキツイです」

 ――だから桜餅なんですね!

 「やっと僕を分かっていただけましたね(笑い)」

 ◆樋口 黎(ひぐち・れい)1996年(平8)1月28日、大阪府吹田市生まれの20歳。4歳から吹田市民教室でレスリングを始め、霞ケ浦(「新しい時代を担う者」/)高を経て日体大に進学。得意技は片足タックルとアンクルホールド。名前の黎は「新しい時代を担っていく者」という意味。1メートル63、57キロ。

続きを表示

この記事のフォト

2016年11月29日のニュース