原宿発アイドル 観客と至近距離ステージで養った度胸で旋風起こす

[ 2016年3月13日 15:00 ]

原駅ステージAとふわふわのメンバーたち

 東京・原宿の竹下通りに昨年8月オープンした劇場「原宿駅前ステージ」で公演活動をしている「原宿駅前パーティーズ」の4組のうち2組の美少女グループが来月、CDデビューする。本格的なダンス&ボーカルが売りの7人組「原駅ステージA(エース)」と、正統派アイドルの18人組「ふわふわ」。観客と至近距離のステージで身に付けた度胸と負けん気の強さで、音楽界に“原宿旋風”を巻き起こす。

 デビューCDは両A面シングル「Rockstar/フワフワSugar Love」。「原駅ステージA」が「Rockstar」、「ふわふわ」が「フワフワSugar Love」を歌い、1枚のCDに収録しているもの。“同時デビュー”という形で4月13日に発売される。

 「原駅」のリーダー磯部杏莉(17)が「日本武道館のステージに立ちたい」とグループを代表して目標を話すと、「ふわふわ」の小学6年生メンバー岩崎春果(12)が「私は東京ドームでやりたい」と、あえて武道館よりも収容人数が多い会場を挙げ、早速負けん気を発揮した。

 2組が所属する「原宿駅前パーティーズ」は12~20歳の総勢42人が4組に分かれ、各グループがいち早いデビューを競ってきた。全員がw―inds.や西内まりや(22)ら人気アーティストが名を連ねる「ライジングプロダクション」に所属。若者が集う原宿というエネルギッシュな場所に専用劇場を設け、多くの本番を経験することで個々のキャラクターを磨いていこうという意図でスタートした。

 「原駅」は本格的なダンスと歌で女子中高生に人気が高く、デビュー前に持ち歌が連続ドラマの主題歌に起用された実力派。磯部は「私たちが一番先にデビューするんだと、がむしゃらにやってきた。他のグループには負けたくなかった」と振り返る。

 一方、「ふわふわ」の中野あいみ(14)は「原駅が先にデビューしそうだと聞いて焦った。私たちは人数が多い分、一人一人がどう輝くかを考えた」と語る。18人の大所帯だけに埋没しがちだった個性に磨きをかけ、“やんちゃな岩崎”“癒やし系の中野”というようにキャラクターを確立。容姿よりも内面をアピールして、ファン層を女性にも広げた。

 4組のデビュー争いは、原駅とふわふわの“同時優勝”で決着。ふわふわの平塚日菜(15)は「凄くびっくりして、本当にデビューなのか現実を受け入れられなかった」と話している。

 原宿駅前ステージは客席が104の小劇場。メーンステージから7・5メートルのランウエーが延び、直径3メートルの円形ステージがある。ランウエーと円形ステージに沿って客席が配置され、最前列から手を伸ばせばメンバーに届くほど、観客からステージが近いのが特徴。岩崎は「お客さんの顔がいつもはっきり見えているので、最初は緊張したけど慣れてきた」と語る。

 至近距離で360度の姿をさらすことも多いだけに気を抜けないが、半面、アピールチャンスが多く、観客の反応が直接感じられる。劇場の田代雅裕支配人は「メンバーたちは、自分以外の名前が入ったTシャツを着ているお客さまにもがんがんアピールしています」と説明。劇場の独特な環境が美少女たちの度胸と負けん気を育んでいる。

 デビュー当初は笑顔がぎごちなかったり、動きもスムーズではなかったが、7カ月たち、160回もの公演を重ねた今では、舞台上で自然な表情を浮かべ、メンバーがその時の雰囲気や流れに合わせて盛り上げる余裕も出てきた。切磋琢磨(せっさたくま)するステージが人気を呼び、今やチケットには30~40倍の応募が殺到している。

 磯部は「グループでもブレークして、個々でも活躍することを目指していきたい。女の子にスタイルとか私服も憧れられるファッションリーダーにもなれたらと思っています」と夢を語った。

 ◆原駅ステージA 7人は可愛さと格好良さを兼ね備えた14~18歳。「Rockstar」は、日本テレビ系で放送中の連ドラ「マネーの天使~あなたのお金、取り戻します!~」の主題歌。

 ◆ふわふわ フリフリの衣装を身にまとうキュートな12~20歳の18人組。ファッション誌「ニコラ」や「ニコ☆プチ」、漫画雑誌「なかよし」などの専属モデルを務めるメンバーも。

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