ＴＥＮＮさん告別式で「ギフト」大合唱　ＥＴ―ＫＩＮＧ再開誓う

ＴＥＮＮさんの遺影を手に悲しみをこらえ出棺のため式場を出る上原多香子

　ヒップホップグループ「ＥＴ―ＫＩＮＧ」のメンバーで２５日に首をつって亡くなったＴＥＮＮ（本名・森脇隆宏）さん（享年３５）の葬儀・告別式が２８日、大阪市阿倍野区の葬儀場で営まれた。ＥＴ―ＫＩＮＧの残された６人は代表曲「ギフト」を熱唱し、生き急いだ仲間に別れを告げた。

　♪一生　忘れられないよ　きっときっと　こいつは宝物　ラララララ…ほんまにありがとう――。出棺時、約１５００人の参列者の思いを代弁するような「ギフト」の大合唱が響いた。

　遺影を抱きかかえ、唇をかみしめ斎場から出てきた上原は、その歌声に感極まった。霊きゅう車の助手席に座ってからも涙が止まらない。体を小刻みに震わせながら何度も目に手を当てた。

　告別式ではＥＴ―ＫＩＮＧの仲間たちも号泣。リーダーのイトキン（３５）は式をライブに例え、「今日もええステージになったな。お客さんもいっぱい来てくれて…それやのに何で寝てるねん。お前の大好きなお父ちゃんもお母ちゃんも、多香ちゃんも一番前で見てくれてるのに」と涙声。「並んで一緒に歌おう」と他のメンバーを呼び込んだ。

　６人はライブと同じ立ち位置で並んだものの、悲しみのあまり、なかなか歌い出せない。アカペラで声を絞り出した。歌声は場外まで聞こえ、見守るファンは震える声で合わせた。イトキンは最後に、「お前の分まで生きるから。お前の分まで根性見せたるから」と約束。ＥＴ―ＫＩＮＧは休止し、４月２９日から“充電期間”に入っているが、「お前が天国で見てくれるならばワシら一生懸命、この６人で音楽やっていく」と再開を誓った。

　▽ギフト　０７年９月発売の第６弾シングル。作詞はＥＴ―ＫＩＮＧ、作曲はＥＴ―ＫＩＮＧ＆ＮＡＯＫＩ―Ｔ。オリコンチャートでは最高１２位。木村カエラの「Ｂｕｔｔｅｒｆｌｙ」などと並ぶ結婚式での定番ソング。